山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2012.6.24 スタンドバーにて
今月のお題は、「セントマクダーレン」である。
セントマクダーレン、あるいはセントマクデランといった方が一般的なのかもしれない。いわずとしれた閉鎖蒸留所である。ローズバンク、スプリングバンク、ポートエレンなどのように受けの良いネーミングに感じるが、人気のある蒸留所とは言いがたい。
さてセントマクダーレンの印象であるが、ドライでアルコール感が強い。記憶をたどってみると、とびきり美味い一本を飲んだ記憶は無い蒸留所である。そんなところがいまひとつ人気が出ない要因なのかもしれない。
またセントマクダーレンはリンリスゴーという名前も持っているが、リンリスゴーとして出されているモルトもけっこう多いようだ。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] シグナトリー リンリスゴー ワインバット cask no.2200 200/225 1982-2009 26年 61.2% ***
(香り) トップノートはカラフルでフルーティ。ミントの香りが爽やかだ。それほど香りの数は多くはないが、フルーツに浸っていられるので満足度は高い。
(味) フルーティな個性ではあるがドライである。ドライに感じるのはアルコール度数が高いのかもしれない、加水すればフルーツの種類は増えてくる。
*** [No.2] ブラッカダー セントマクダーレン オークバット 249/603 1982 25年 61.8% ***
(香り) トップノートはフルーティ、ただし南国系ではなく、軽く、薄い香りのフルーツだ。奥には軽くミントの香り。 しばらくグラスを回していればキャラメル香も出てくる。
(味) フルーティではあるが、ピリピリと口を刺す。アルコールに馴れじっくり味わえば、たいへん濃い南国フルーツを堪能できる。
*** [No.3] インプレッシブカスク セントマクダーレン 1982 62.2% ***
(香り) トップノートはバタースカッチ。まったりとはしているが、奥にはエレガントな香りも隠されている。酸味もほどよくバランスしている。やや麦芽風味を感じる。
(味) ドライで甘みが少ない。しばらくすれば、ウッディな含み香とエレガントな香りが出てきて長熟であることを感じさせる。
*** [No.4] ウイスキーエクスチェンジ リンリスゴー 25年 62.4% ***
(香り) トップノートはハッカとミント、爽やかな香りだ。しばらくすればフルーツが多数出現しエレガントな香りに満たされる。
(味) ドライではあるが、旨みや厚みも感じられる。もうひとつ華やかさが欲しいところではある。
*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ リンリスゴー シェリーバット cask no.1622 1/601 1982-2008 63.7% ***
(香り) トップノートはエステリーで深みのある香り。その後、旨みを思わせる香りが広がる。ややいがいがした香りはピートによるものか。
(味) 酸味がまず感じられ、引き締まった印象。ドライではあるが旨みも強い、ドライとは別の意味で辛いと感じる。振り返るとエレガントな印象が強く、通好みのモルトかもしれない。