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なぜブラインド・テイスティングなのか?

前にも書きましたように、コニサーズクラブの月例会は毎回ブラインド・テイスティングで、銘柄を伏せたままグラスについだ形でサーブされます(たった1回の例外は特別企画、特別価格で40年、30年、15年、10年のラフロイグのヴァーチカル・テイスティングを行なったとき)。

その理由はいたってシンプルで「面白いから」。といっても銘柄を当てるのが面白いということではなく、蒸留所名などのブランドイメージを頭から排したままテイスティングすると、それまで思ってなかったようなキャラクターを発見できることが多いのです。

登場するのはシングルカスクのモルトが多いので、例えば一つの蒸留所のモルトを5種類テイスティングすると(最近はこのスタイルが続いています)、バラバラではあるけれど共通項が見えてくる。でも、それがたいていは新発見なので、銘柄が当たることはほとんどありません。みんなで色々推理するものの、最後に種明かしすると「へぇ~」ということになります。

ほとんど名前を知られていない蒸留所が高い評価を得たり、ハイランドパークのようなビッグネームがボロボロに近い言われ方をされたりする。「ぱっとしないね」なんて言っていた人が最後に自分が一番好きだったはずの蒸留所名を聞いてパニックしたこともありました。

この楽しさを知ってしまったので、個性の違う何種類かをテイスティングして、それぞれの銘柄を当てるといったような普通のブラインド・テイスティング(?)をやりたいとは、どのメンバーも考えていないと思います。

#Connoisseurs Club

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