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コニサーズクラブ(2010/9/26)テーマ「トミントール」

トミントール(10/09/26)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

 今月のお題は、「トミントール」である。

 「T」で始まるスペイサイドモルトは没個性。そんな定説がモルト呑みのうちに出来上がっているかどうかはわからないが、タムナブーリン、トーモアなどハウススタイルなぞ、とんと思いつかない。タムデューにはまだ個性がありそうではあるが。
 そんなくくりの中にあるトミントールである。話題としては、一時期ヘアトニック型のオフィシャルボトルで有名となったが、特に印象に残るモルトではなかった。

 そして今回の5本であるが、とんでもないスペックのモルトが揃えられていた。1本目のオフィシャルボトルは別にして、後の4本はすべて35年オーバーだ。
 しかしブラインドテイストで行われるこのモルトの会では、そんなスペックはなんの役にも立たない。
 メンバーの間では非情にも、絶賛のコメントはいっさい出てこない。わたしにいたっても、4本目に熟成香を感じるくらいで、まさか長熟ばかり並んでいるとは思いもしなかったのである。

 さて、そんなことで結論としては書き出しの通り、あまりパッとしない蒸留所というイメージは変わることはないということである。

さて、今月のモルト5本を紹介しよう

*** [No.1] オフィシャルボトル トミントール ウィズ ア ピーティ タン 40% ***

(香り) トップノートはイオウの香り。奥にはエレガントな香りもあるが、やや麦芽風味も。しばらくするとピートの香りが強くなる。

(味)  トースティーでかつ、麦芽由来の甘みを感じさせる。かなりピーティ。
味の数は少ない。

*** [No.2] ジョン マクドゥーガル ケルティックレジェンド トミントール ラムカスク フィニッシュ 1967-2003 35年 46% ***

(香り) まず酸味を感じたあとエステリーな香りが広がる、たいへん爽やかだ。しばらくするとキャラメル香も出てくる。リフィルバーボン樽であろうか。

(味)  フルーティではあるがドライで辛い。注意深くすれば雑味も感じる。わずかにキャラメルの味わいも感じられる。

*** [No.3] オールド モルト カスク トミントール 1/215 1973-2010 36年 45.9% ***

(香り) 酸味を感じる、その酸味は晴れ渡った青空のようである。とてもピッチの高い酸味だ。その後キャラメル香がでてくる。ミディアムボディ。

(味)  フルーティであるが、苦味を感じる。ドライで辛い。味の数は少なくはないが単調だ。

*** [No.4] ウイスキーエクスチェンジ トミントール ホッグスヘッド cask.no.4483 1/202 1967-2006 38年 45.9% ***

(香り) トップノートは軽いイオウの香り、すぐさまエステリーとなりイオウは消える。ここちよい酸味。エステリーなバーボン樽の個性が強い。
 しだいに押し出しの強くない熟成香が感じられるようになる。

(味)  エステリーを感じたあと、軽いが上質でウッディな樽香が広がる。ほどよい熟成である。しかしながらドライで辛い。

*** [No.5] ジャック ウイバース トミントール ベリーダークシェリー cask no.5260 1/120 1966-2004 38年 52% ***

(香り) まず赤い色に驚かされる。トップノートは極めてトースティ。まったりと濃い香り、イオウの香りも強い。
 しだいにエステリーに変化してくるが、基本はトースティな香りだ。かすかにキャラメルの香り。

(味)  イオウの含み香と焦げたゴム、シェリー樽の個性。酸味があることで、こってりしたシェリーの個性がやや緩和されている。


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