山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2007.07.1 スタンドバーにて
今月のお題は、「ハイランドパーク」である。
いきなりの結論ではあるが「ハイランドパーク3度目の正直ならず」である。毎回読んでいただいている方はご存知かとは思うが、意味不明の方もおられるのであらためて説明を入れておく。
言わずとしれたビッグネームのハイランドパーク、これの長熟ものが5本も集まれば美味くないはずがない。ところが1回ならずも2回もモルト会のメンバーでは散々の評価を受けている。
前回までの10本にはシェリー樽熟成は含まれていないことから「ハイランドパークは、シェリー樽熟成が不可欠」との認識を持ったメンバーは多いはずである。
そんな評価を覆すべく今回に至ったわけであるが、5本テイスティングを終えて、個性に欠ける、香りが弱い、ザラザラするなど良い言葉は出てこない。サーブする方々には申し訳ないが、またしてもリベンジならずの会となったのである。
さて、今回の5本を紹介しよう。
*** [No.1] ウイスキーエクスチェンジ ハイランドパーク ホッグスヘッド 1990-2006 16年 51.9% ***
(香り) トップノートは花のような香り、その後桃系のフルーツが現れる。ミントやハッカなどハーブ系の香りも感じられる。奥に熟成感はあるが注意深くしないとわからない。
やや酸味も感じられ、最後にはしょうがの香りも出てくる。
(味) フルーティかつフルーティ、ブドウの味が広がる。味の数は多くなくドライである。
*** [No.2] ザ・ビンテージ・モルトウイスキー社 カスク・アンド・シスル ハイランドパーク 1981-2007 25年 52.8% ***
(香り) まずミントが香る、良い香りだが印象が弱い。その後まったりした印象に変わってくる。タクアン系の香りも見え隠れする。
(味) ブドウの味が濃い。最初ピリピリ、その後ザラザラの印象。
*** [No.3] デュワー・ラトレー ハイランドパーク オークリフィル 1981-2005 24年 51.5% ***
(香り) ピッチが高く、爽やかなフルーツ香、バニラの香りもある。しばらくするとエステリーが開いてくる、熟成由来のものか。軽いピートも感じられる。
(味) フルーティだが、ドライ。単調な味わい。
*** [No.4] SMWS 4.104 ハイランドパーク オーク 16年 54.6% ***
(香り) トップノートは言葉にできない香り、突拍子もない香りではないが、なぜか言葉にできなかった。その後キャラメルが香るようになる。
少し変わったトップノートに戸惑ったが、後半はウッディーな樽香が心地よい。
(味) ジンと刺し、ドライでアルコール感を伴う。味にふくよかさが無い。
*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ ハイランドパーク 1989-2006 17年 55.8% ***
(香り) まったりと濃い香り。キャラメル風味、酸味がバランスしている。アルコール感は強いがフルーティ。香りの数は多く複雑である。
(味) まずブドウにみたされるが、その後ウッディな樽由来の味わいが口にひろがっていく。まったりとふくよかで濃いが、花のような印象もある。
#Tasting Note