山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2009.10.25 スタンドバーにて
またまた、マイナーな蒸留所が登場したものだ。この会にも過去に出されていないというわけではないが、5本も揃ったことはもちろん無い。
一般的に個性が弱く、印象の薄い蒸留所が多い東ハイランドであるが、5本テイスティングしてみて、やはり当たらずとも遠からずといったところか。ちなみに今回、30年OVERは3本もある。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] モダンマスターズ グレンカダム 1/121 1973 34年 50.1% ***
(香り) まず酸味を感じる、非常にエレガントな酸味だ。しだいに有機溶剤系のエステリーな香りに包まれる。注意深くすればアニスやハッカのような香りもある。
バランスの取れた香りであり、オフィシャルボトルであろうか。
(味) フルーティであるが、しだい古い樽、あるいは長期熟成の味わいが前に出てくる。味の数は多いがどちらかといえばドライである。
しばらく、飲んでいるとたいへん美味いモルトであることに気づく、そんな通好みのモルトだ。
*** [No.2] エクスクルーシブモルツ グレンカダム シェリー one/233 cask no.2179 1974 34年 50.2% ***
(香り) トップノートはイオウの香り。その後たいへん香ばしい香りに支配される、シェリーカスクであろうが焦げたゴムの香りは無い。時として紹興酒の香りが現れる。
(味) やはりたいへん香ばしい、トースティー。味にも焦げたゴムはなく、シェリーカスクの個性は強いが、欠点が表に出ないよく出来たモルトといえよう。
*** [No.3] マキロップチョイス グレンカダム 1977-1999 56.8% ***
(香り) エレガントな香りで、長熟を予感させる。酸味と甘みのバランスが良い、やや硫黄の香りがある。
(味) 味はドライである、味の数は多くはない。辛いモルトである。
*** [No.4] ダグラスレイン オールドアンドレア グレンカダム one/176 1977-2009 32年 58.1% ***
(香り) 熟成感が素晴らしい。わざとらしくないエステル香が、長い熟成を経ているのを予感させる。甘くバニラが漂いたいへん心地よい。
(味) 味も素晴らしくエステリー。味の数も多く、また熟成由来のにがみもスパイスとなり、いつまでも至福の時間を味わうことができる。それでいて意外とドライだ。
*** [No.5] デュワーラトレー グレンカダム バーボン cask no.5981 1990-2007 17年 59.1% ***
(香り) ハッカ、ミントの香りがある。基本的にドライであるが、甘い香りも感じられる。
(味) アルコール感が強く、甘みが少ない。きわめてドライ。
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