山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2009.8.23 スタンドバーにて
今月のお題は、「ハイランドパーク」である。
この会では最多の登場ではないだろうか、それだけのビッグネームといえる。しかしこれだけ評価のぶれる蒸留所も珍しい。
これまでの評価をまとめてみるとシェリー樽を使ったモルトではたいへん素晴らしい評価を得ている。ところがオーク樽のモルトとなると、過去3回15本をテイスティングしているが惨憺たる結果である。
ハイランドパークはシェリーが不可欠と評価が出来上がってしまっている。
そして3回続けて不本意な評価を受けたあとのハイランドパークである。ところがどうだろう、今回すばらしい味わいのNO.1~NO.3のモルトはオーク樽熟成だ。
過去3回の経験からしてハイランドパークの名前を挙げるのは難しい作業であった。さすがビッグネーム、素晴らしいモルトが数多く眠っている蒸留所だといっておく。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] シグナトリー ハイランドパーク ホッグスヘッド 51/291 1985-2005 19年 53.3% ***
(香り) トップノートはエレガント、たいへん上品である。桃の香り、その後、数種の果物が現れフルーツバスケットとなる。注意深くすればピートの香りがある。
(味) ウッディな香りが素晴らしい、心地よいにがみを感じる。甘さはあるが意外にドライに感じるのは、ある種の苦味のせいか。加水でフルーツが出現する、軽いピートを伴う。
*** [No.2] ダンカンテイラー ピアレス ハイランドパーク オーク 69/2117 1994-2007 57% ***
(香り) レガントで上品。さらにフルーツのてんこ盛り。酸味が爽やかである。すぐさまこくのある香りになり、深みが増してくる。
ウッディな熟成感がすばらしい、深々とした木の香りである。さらにキャラメル香もある。
(味) フルーティーでありながらドライ。苦味もあるが心地よい種類のものだ。複雑な樹皮の香り。にがみは木からくるものか。
*** [No.3] ブラッカダー ローカスク ハイランドパーク オーク ホッグスヘッド 140/248 1985 22年 56% ***
(香り) たいへん深みのある香りだ。しかもエレガントで爽やかさもある。ウッディな香りが素晴らしい、さらに梅の香りも。
(味) 香ばしい含み香。にがみも素晴らしい。しだいにあざやかなフルーツの味わいになる。酸味も適度にきいて飲みやすい。
*** [No.4] マキロップチョイス ハイランドパーク cask no 11751 1988-1999 61.5% ***
(香り) トップノートはイオウの香り。深みのある香りで、やさしい甘みを感じる。シェリー樽由来の香りだが、キャラメル香もありバーボン樽の個性もある。
(味) シェリー樽の個性、やや焦げたゴムの味わい。甘みが心地よい。
*** [No.5] ムーンインポート ハイランドパーク 1988-2008 62.4% ***
(香り) たいへん深い香り、シェリー樽熟成の個性。甘みが強いが、ウッディな香りが甘みに負けないくらい主張してくる。長い熟成を感じる、その後なぜかバニラの香りも。
(味) ほっとするような甘みに包まれる、シェリー樽熟成と思われるが、こげたゴムの個性は無い。梅の含み香りがある。
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