山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2009.7.26 スタンドバーにて
今月のお題は、「白州」である。
山崎蒸留所はこの会でも何度か出されているが、そのレベルの高さは折り紙つきだ。そして今回サントリーのもうひとつの雄、白州である。
実は会も終わりに近づくまで、まったく蒸留所を特定することができなかった。5本をテイスティングしてみると明らかなピートの個性がある。さらにウッディな熟成感、あるいはトロピカルフルーツとバラエティーに富んでいる。
当然のようにアイラに絞ってみる、こんな多種多様のモルトを繰り出すのは、ラガブリンかポートエレンであろう。がしかし正解ではないという、しかもアイラではないというではないか。であればブローラか、いやそれも違うという。ピートと白州の結びつきを考えていなかったので、正解を出すのにずいぶん時間が掛かった次第である。正解を導き出すキーになったのは素晴らしい熟成感からといっておこう。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.120.3 14年 56.4% ***
(香り) トップノートはエレガント、ミントな爽やかさが広がる。しだいに多種のフルーツが花開く。酸味も感じられフレッシュではあるが非常にまろやか。ややスモーキーな香りが感じられる。
(味) 非常にスモーキーかつフルーティ。酸味が心地よい。
実は2004年1月にもこのモルトは出されている、そのテイスティングノートもあわせて記載する。
(香り) ピートが強く香る、アイラによくある磯の香りはない。ジャーキーでスモーキー。やはりこのモルトもエステリーな香りが強く、ピートとのコンビネーションがいままでになかったものだ。ピート香はそれほどシャープなものではなく、攻撃的なところはいっさいない。
(味) やはりピートが強い、なおかつぴりぴり感は強く、アルコール臭も感じられる。
しばらくするとフルーティーな感じがでてきて、エステルも強く感じるようになる。
*** [No.2] オーナーズカスク 白州 cask no.4E10133 88/168 1994-2007 57% ***
(香り) フルーティかつミルキー。しだいにウッディな熟成感に包まれる。シェリー樽の個性か。さらにグラスを回していればエレガントな香りに変化してくる。ミルキーからエレガントに変化する例は珍しい。
(味) 酸味が感じられる、それも素晴らしく鮮やかなものだ。すぐにウッディな熟成感に満たさされじっくり飲んでいたい気分にさせられる。時間がたてばトロピカルフルーツも出現する。
*** [No.3] オーナーズカスク 白州 cask no.3B40350 71/142 1993-2007 58% ***
(香り) 酸味が強く、アルコール感も強い。しかしすぐに香りは開いてきて、まったりとした熟成感が感じられるようになる。シェリー樽の個性なのか、たいへん香ばしい。ブドウの風味も感じられる。
(味) やはり香ばしい、やや湿気た風味がある。シェリー樽由来のものであろう。しばらくすればフルーティに変化してくる。
*** [No.4] THE CASK OF HAKUSHU ホワイトオーク/ホッグスヘッド cask no.3B40582 138/235 1993-2008 59% ***
(香り) まず心地よい酸味を感じる、わずかに硫黄の香りも。まったりとした香りもあり、ふくよかだ。奥にはいがいがとした香りも、ピート由来のものか。
(味) ドライでからい。控えめな熟成感。アルコール感をともなう。ピートはかなり強い、ただしヨード臭は無い。
*** [No.5] THE CASK OF HAKUSHU 近江エージングセラー cask type スパニッシュオーク ボタコルタ 149/580 1993-2008 59% ***
(香り) 紹興酒の香り、醤油の香りともとれる。非常にこってりとした風味だ。しかし冷静に香ればエレガントな酸味を感じ取ることができる。
(味) 辛く、また香ばしい。酸味がとてもエレガント。フィニッシュに湿気たところがある。
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