山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート 2007.02.25 スタンドバーにて
今月のお題は、「キャパドニック」である。
実にマイナーな蒸留所である。あえて話題を探すとすれば、グレングラントの第二蒸留所として語るくらいであろうか。
私もほとんど飲んだことのない蒸留所である、過去のテイスティングノートを検索してもケイデンヘッド1種、SMWSの2種しかテイスティングしていないのである。
そんなレアな蒸留所ではあるが、今回の5本、印象としては弱いといわざるをえないがバラエティーに富んではいた。
あえて共通点を探せば、ミント、軽い酸味、そして奥の奥にわずかなパフュームである。
さて、今回の5本を紹介しよう。
***[NO.1] ロナック キャパドニック 1972-2006 33年 41.9% ***
(香り) トップノートは上品でエステリー、淡い梨の香り、バランスのとれた長熟のスペイサイドの典型といえる。
フルーティーで爽やか、ミント、ハーブの香り。わずかに麦芽の香り。しばらくするとニッキ、あるいは上質のハッカが現れる。
(味) フルーティー、口にふくむとピリピリする。しばらく味わってみると、実にまろやかでウッディーな熟成香に満たされる。香りより飲んで楽しめるモルトである。
***[NO.2] ダンカンテイラー ピアレス キャパドニック 1972-2002 29年 46.9% ***
(香り) 香りが弱い、しばらく時間を経てもなかなか開いてこない。しばらくノージングしているとフルーティーで爽やかなことがわかってくる、秋の明るく晴れ渡った青空のようだ。
奥にはミント、さらに甘い砂糖水の香り。梅の香りも見え隠れする。
(味) やはりフルーティーかつミントの個性。軽い熟成感とアクセント程度の酸味。
***[NO.3] ザ ボトラーズ キャパドニック リフィルシェリー 1976-2004 27年 54.3% ***
(香り) まず飛び込んでくるのが、タクアンあるいはヌカの香り。醤油のようでもある。他の香りを探していると、ぶどう、梨などのフルーツが現れ、非常に複雑である。タクアンから一転して上品と感じる時もある。
(味) 意外にドライ。ブドウ系のフルーツのあじわい。味は香りにくらべ単調である。
***[NO.4] SMWS 38.13 キャパドニック 1980-2005 24年 57.9% ***
(香り) 木くずの香り。硬質な木の香りである、ウッディーとはいえない種類のもの。しばらくすれば灰くさい香りも感じられる、無機質な香りである。
さらに奥には上質なシャンプー、リンスの香り、ボウモア、エドラダワーとは別質のパフュームを感じ取ることが出来る。
(味) 口に含むとハーブの香りがひろがる。ドライで甘さが弱い。わずかな熟成感。
***[NO.5] ケイデンヘッズ キャパドニック バーボン 1980-2004 23年 58% ***
(香り) まずスパイシー。アルコール感が強い。しだいにまったりとしたキャラメルの香りが広がる、バーボン樽であろうか。
奥には軽くタクアンの香り、それを打ち消すようにミントやバニラの香りが強く出てくる。
(味) 梅ジュース、さまざまな果実の味。ぴりぴりとするアルコール感。しばらくすれば軽いナッツ系の熟成香、らさにウッディー。
#Tasting Note