山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2008.3.23 スタンドバーにて
今月のお題は、「ロングロウ」である。
ロングロウ、言わずと知れたスプリングバンク蒸留所のセカンドラベルである。通の間でも人気の高いブランドであり、アイラモルトとはスタイルのちがうピートをほどよく利かせた個性が人気の秘密ではないだろうか。
そんなロングロウであるが、なぜか私のまわりでの評価は芳しくない。比較的若いモルトが多いせいもあるのだが、モルティー、トースティー、若い、青い、雑味、そんな印象が拭い去れない。
ところが今回の5本は、かなり良いものが揃ったようである、比較的色が濃いものが多く、シェリー樽の関与があったのかもしれない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] テイストスティル ロングロウ 1/188 1992-2007 49.1% ***
(香り) トップノートはミントとハッカ。しだいにフルーツ香が開いてくる、非常にエレガントな香りである。さらに時間をおけばハチミツの香りも感じられる。
(味) ピリピリとからい。シャープな味わいではあるが、やや湿気たところもある。
*** [No.2] ロングロウ ウッドエクスプレッション トカイウッド 1995-2005 10年 (オフィシャル) 55.6% ***
(香り) シェリー樽のファーストフィルであろうか、ややこげた香り。しだいに黒糖の香りで支配される、ラム樽熟成か?
さらに時間がたてば、エステリーな爽やかさとヌカっぽい重たさを感じるようになる。最後にピート香で締めくくられる。
(味) こげたゴムと湿気た含み香。酸味がありそれほど嫌味となっていない。
*** [No.3] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.114.6 1990-2007 17年 56.1% ***
(香り) ミディアムボディ。酸味、フルーツ、甘さ、ウッディネスがバランスしている。中程度のピート香と十分な熟成感。香りの傾向はリフィルシェリーか。
(味) 口に含んだ瞬間のエステル香が心地よい。しだいに香ばしく変化する、軽いピートをともなう。ピリピリ感が強い。
*** [No.4] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.114.5 1990-2005 14年 56.9% ***
(香り) まず酸味が香り、しだいに素敵なエステル香に満たされる、有機溶剤系の熟成香もすばらしい。まったりとボディも厚くフルボディに近い。軽いピート香、リフィルシェリー熟成の個性。
(味) 香ばしい風味、こげたゴムはない。やや湿気た含み香。しばらくすれば甘みを感じるようになる。中程度のピート。
*** [No.5] ロングロウ 1993 13年(オフィシャル)57.1% ***
(香り) 柑橘系のフルーツの香り、ややドライで香りの立ちが遅い。しだいにエステリーが開いてくる。
(味) 硬質な香り、旨み成分が多い。甘さが広がり、さらに香ばしい香りが味を引き締める。酸味があり旨みと甘さとバランスする。最後には、やや若さを感じることとなる。
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