山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2007.11.25 スタンドバーにて
今月のお題は、「オスロスク」である。
オフィシャルボトルは、「シングルトン」として有名な蒸留所であった、しかし残念ながら現在はグレンオードがシングルトン・オードを名乗っているようである。
あまり目にすることのない、このスペイサイドモルトを5本揃えるのは非常に難しい仕事であろう、しかし今回もレアなモルトが5本揃っていた。
オスロスクのハウススタイルを知る手立てとしては、オフィシャルボトルである「シングルトン」をたどるしかない。そしてそれは、軽いシェリー樽熟成由来の香りと、わずかな麦芽風味である。
そんな漠然とした記憶しかないので、今回、最後まで蒸留所の名前を上げることはできなかった。
さて、今回の5本を紹介しよう。
*** [No.1] SMWS 95.6 1985-2007 21年 54.6% ***
(香り) トップノートはミント、しだいにフルーティーに変化してくる。最初はドライに感じるがしだいに甘さと軽い酸味がでてくる。
しばらくすると熟成香が開いて濃密な香りに満たされる、熟成香はウッディなものではない。さらにキャラメル的なまったりとした香りに感じられるときもある。
(味) 深々とした含み香が素晴らしい、ウッディな熟成香を感じる。さらに渋み、苦味がスパイスとなって複雑な味わいとしている。
サツマイモの皮の香りを感じる時もある
*** [No.2] シグナトリー オスロスク シェリーバット 1979-2006 26年 56.7% ***
(香り) トップノートは甘い香り、すばらしくスィート、また素晴らしくエレガントな香りでもある。リフィルシェリー樽熟成の個性。
しばらくするとイチゴの香りも出てきて、最後にはバニラも感じられる。
(味) シャープでドライ。レーズン系のフルーツ。力強い呑み口。
*** [No.3] ディアジオ レアモルト オスロスク 1974 28年 56.8% ***
(香り) 上品でエレガントな香り、高貴な香水が漂う。しばらくすると熟成由来のキャラメル香が顔を出す。
(味) シャープな飲み口、奥にウッディが感じられるが、でしゃばらない。
フルーツと酸味がバランスしているが、意外にからい。素晴らしく深みがある。
*** [No.4]キングスバリー オスロスク 1990 15年 62.8% ***
(香り) まったりと深みのある香り、しばらくするとバニラの甘い香りがでてくる。奥には麦芽由来のシリアルな香りが感じられる。やや単調な香りとアルコール感。もうすこしの熟成がほしいところである。
(味) 北ハイランドの若いモルトの個性、硬くツンとした含み香。ドライ。
*** [No.5]マクギボンズ プロブナンス オスロスク 1995-2000 5年 62.3% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。すぐさまバーボン樽由来の甘い香りと、かすかなキャラメル香が広がってくる。しかしそれ以上の香りはない。
(味) 若くアルコール感が強い。モルティ。荒々しい。
#Tasting Note