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マスタークラス BenRiach

先日のウィスキーマガジンライブ中継記事の続きです.
今度は,午後の BenRiachの マスタークラス.
昨年飲んだ40年物のあのおいしさが抜群だったというのがこのマスタークラスを選んだ理由です.

ビリーウォーカー氏の話は,簡単な蒸溜所の概要説明の後,試飲をしながら途中にいろんな話をするスタイルでした.このマスタークラスでの試飲は6種類.最後の2つがヘビーピートのタイプ.

最初はピートの話から.スペイサイド産のピートとアイラ産のピートでは風味が違うんだとの事で,氏はアイラモルトを作るつもりはないとのことで,地元のスペイサイド産のピートにこだわっておられるとのことでした.仕込み水は硬水で,スチルは4基(初溜2基,再溜2基)とのこと.
熟成庫はダンネージウェアハウスでの熟成だとか.
試飲したのは,16年,15年のPEDRO XIMINEZ,Fine Wood Finish (Chateau d”Yquem Sauterne Barrels),Richly Peated Single Cask 1972 Cask No. 3580 (Exclusively for Whisk-e, Japan)と,あとは,HEAVILY PEATEDの2種.

そのHEAVILY PEATEDですが,講演では映画の “Back to the Future” のポスター画のようなものを投影して,従来のスペイサイドモルトの味を出したモノという意味合いを強調しておられたのが印象的でした.元々,スペイサイドで生産されるウィスキーはスモーキーな香りがしっかり着いてるモノだったとのこと.もちろん,それはスペイサイド産のピートで.このヘビーピートのベンリアックは,100年前のスペイサイドスタイルへの復古であるとのことでした.
ヘビーピートが減った理由として,米国やイングランドで軽めのウィスキー需要があったことや,鉄道の発達により(アイラ以外では)石炭輸送が経済的になったこと等を挙げてご説明いただきました.

ところで,モルトウィスキーの場合,樽や製法の少しの違いからくる味の違いを商品の個性として楽しむって事を考えると,ピートの産地からの味の違いがあるのなら,ピートのかけ方でもヘビーやミディアム,ライトといったビートの強度の違いという切り口だけでなく,ピートの産地別あるいは各産地のピートの混合比といったところで特徴づけるという考え方もあるのではと思いました.ただ,質問時間には多くの質問があった事と,氏のスペイサイド産ピートへのこだわりの姿勢の前に怖じ気づいて,そういう考えに対するご意見を伺うことができませんでした.

終了後はまた,挨拶に伺い数点の話をさせていただくことができました.現在商品として我々が楽しんでるのはシーバスブラザーズ社時代に仕込みをしたモノなので,ビリーウォーカー氏が経営をするようになってから,仕込みでどういう点を変えたのかって点を伺いました.どの点をどう変えたという回答は得られず,「ほとんどの点で変えたよ」ってこと.氏が仕込んだモノが出てくるときが楽しみです.

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