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バー友達とさよならするとき

いきつけのバーで仲良くなった方が、その方自身の事情で、バーに来られなくなった。
引き止めることはできない。
バーに来るかどうかは、その方が決めることだから。

たまたまバーカウンターで隣り合った見知らぬ人。
楽しい会話を交わした、見知らぬ人。
見知らぬ人はそのうち、友達になった。バー友達という。

バー以外の場所で会うことはなくても、友達と言えた。
これからもバー以外の場所で会うことは無いかもしれない。
気が付けば、連絡先も、本名も、何も知らないのだから。
そういえば、どんな顔かも、わからなかった。

でも、私はバーカウンターに座り続ける。
ウスケバという「お酒の飲めないバー」に。
もしかしたら、友達とまた会えるかもしれない。
淡い期待を抱きながら。

では、また会いましょうね。
それが言えなかったことだけが、心残り。

さあ、私も、またこのバーでお酒の話ができるように、健康を回復しなくては。
しばらくはノンアルコールカクテルと、フードと、会話を楽しもう。

#Bar

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