あと二つほど、酒がからんだ社会政治的事件?を紹介しましょう。
1950~60年代のアメリカで「スリーマティーニ・ランチ」(マティーニを3杯のむような企業管理職などの豪華な昼食のこと)がブームとなりました。アメリカ人は昼間から3杯もマティーニを飲んでいたわけです。この年代ではアメリカに限らず、どこの国でも昼食時に酒を飲むという似たような光景は見られたと思いますが、公然とマティーニがランチで飲まれていたので話題になったのでしょう。
しかし1970年代後半、ジミー・カーターアメリカ合衆国大統領が昼間から酒を飲むのはけしからんということで、マティーニ代は経費で落とせなくなり、ブームは去ったとか・・・
しかし、この「スリーマティーニ・ランチ」をジミー・カーターアメリカ合衆国大統領が選挙運動中に否定し、あからさまに階級闘争に言及したことが再選に失敗した原因といわれているのです。
まさに“ 酒の恨みは恐ろしい!? ”ですなぁ。
そして、こちらは微笑ましいというか洒落っ気たっぷりの抵抗です。
1954年のフランス。時の首相マンデス・フランスが『フランス人はアルコールを飲まずにミルクを飲め!』と奨励したのです。
それを受け逆手にとって、コニャックと並んで世界中で賞賛されているブランデーの産地アルマニャック地方のデュカスタン社が『アルマニャックは大人のミルクだ!』と皮肉って造ったのが写真の“ デュカスタン・ファザーズボトル ”なのです。中身は勿論デュカスタン社のブランデーです。こういう発想、私は大好きです。
やはり人類から“ 生命の水 ”を取り上げるのは難しいようです。
#酒