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バーで飲もう!“アルハラ”篇

“アルハラ”と言う言葉をご存知ですか?
アルコールハラスメント(通称アルハラ)とは、アルコール飲料に絡む嫌がらせ全般を指す言葉で、アルコール類の多量摂取の強要など対人関係の問題や、酩酊状態に陥った者が行う各種迷惑行為などの社会的なトラブル(迷惑行為)を含む。・・・です。

下記はアルハラの定義5項目です。

1、飲酒の強要
上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
2、イッキ飲ませ
場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと、早飲みも「イッキ」と同じ
3、意図的な酔いつぶし
酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたる。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもある
4、飲めない人への配慮を欠くこと
本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。
5、酔ったうえでの迷惑行為
酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。

いろんな事件と同様にストレス社会が生み出したひとつの現象なのでしょうか?これを見た方の中にもアルハラを受けた経験のある方、またアルハラ行為を過去にやってしまった経験のある方もいらっしゃると思います。

日本人は遺伝的にアルコールの分解能力が弱く、急性アルコール中毒に陥りやすい人が多いのですが、日本人の約45%程の人がいわゆる下戸と言われる人たちです。そして約5%の人は体質的に一切アルコール類を受け付けないと言われています。これらのアルコールを受付けない人たちに飲酒を強要することは犯罪に等しく、最初に述べたアルコールハラスメントに関する最も深刻な問題となっているのです。

酒を飲むと当然のごとく酔いますが、自分の酒量限界を超えてしまうと吐き気などの不快な症状を招き、また判断力を失った行動はしばしば周囲の人間に不快感を与えてしまいます。また、急激に多量の飲酒(いわゆるイッキ飲み)は、急性アルコール中毒の原因となり、それにより死を招くことも珍しくないのです。(言われなくてもご存知でしょうが・・・)

この問題は特に1980年代以降にイッキ飲みによる急性アルコール中毒で死亡する20代の若者が続出した事から注目され社会問題(アルコールハラスメント)として取り沙汰されるようになったのですが、イッキ飲みを危険だと知りながら利益のために黙認してきた飲食店にも問題はあります。

しかし、これはまた飲む側、飲ませる側の自覚の問題であり、いくらHP上でアルハラについて訴えても、ポスターを貼っても、チラシを配布しても酒に酔って自分を見失っている人にアルハラを自粛させるのはかなり困難な問題でもあると思います。
アルハラを仕方のない行為だというのではありません。勿論、酒を扱うことを生業とする者として許されざる行為だと思いますし、日本の酒文化がこのような汚点を残していることを残念に思うひとりです。

古くから人類は酒を造り、そして生きる糧として飲んできました。また、適度な飲酒は“百薬の長”として人類の健康を担い、楽しい気分にさせ人生を豊かなものにしてきました。また酒は多くの場面でコミュニケーションの道具として用いられ、人間関係を円滑にする潤滑剤の役目を担ってきたと言ってもよいでしょう。

今の日本では、その酒が人を苦しめ、悲しませる道具となってしまうことは・・・
バーテンダーならずとも酒を愛する人にとって、『アルハラ』などと言う言葉が生まれてくる社会に憤りを感じずにはいられません。 早くこの言葉が“死語”になってくれることを祈るばかりです。

あとがき
“アルハラ”がアルコール飲料に絡む嫌がらせ全般を指す言葉であるならば、我々バーテンダーが、とある酒屋から受けている営業活動も“アルハラ”ではないか!
鵜っちゃん、ヒドイ!

#BAR

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