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バーで飲もう!“美味しいなら残すな!”篇

人間の味覚は千差万別で、同じ酒を提供しても味わいはいろいろです。
何を注文して良いか分らなかったり、お任せで作ったりする場合はお客様の好みを聞き出しながら作るのですが、私の味覚とお客様の味覚が著しく違う場合があります。

勿論、提供した酒に対してお客様に不満があれば、それは作る側の責任ですから作り直しますが、それは年に1度か2度くらいのものです。 
多分、注文するお客様も食べ物なら自分の好みの味を想像することもできるのでしょうが、それが酒となると経験も少ないので想像が出来ないのでしょう。(あくまで私の想像ですが・・・) 
作る側もお客様の許容範囲を超えないよう持てる知識と技術を駆使するわけですが、それでもハズすことも稀にあります。

しかし、カクテルに対して知識が無いのに名前や雰囲気で注文し、自分のイメージと違ったカクテルが出てきて殆んど残してしまうお客様が時々います。ちょっと一声かけて聞いていただければどういったカクテルなのか説明もできて、お客様の口に合ったカクテルを提供できるとも思うのですが・・・バーテンダーにとって提供した飲み物を残されるのは寂しいものです。

そして最も屈辱的といいますか、よく理解できないのが、提供されたカクテルに対して『わぁ~、何これ!美味しい~!凄い美味しい!』と絶賛し、同伴の方に飲ませては喜んで、こちらも「喜んでいただいて良かった!」と充実感を感じたのも束の間、それ以降一口二口グラスに口をつけただけで、殆んど残してしまうお客様がいます。(大抵の場合、若い女性が多いのですが・・・)
こちらも「何か異物でも入ってしまったのか?それとも飲んでいるうちに何か嫌いな物の香を感じてしまったのか?それとも、これを飲んだら酔ってしまうとセーブしているのか???」・・・などと色々詮索してしまうのであります。

口に合わないのなら即座に言って欲しいし、異常があれば直ぐに取り替えます。 
しかし、美味しいと言っておきながら大半を残すのは、今風に言わせていただけば“ どうなん? ”と言った感じです。
飲食店に従事するものであれば、自分の作ったものを残されて、自分で捨てる瞬間は何ともいえない虚しさを感じます。
『美味しいんなら残すなぁ!!!』・・・声にしたいけれど、できない心の叫びです。

あとがき

当ブログへ遊びに来て頂いた貴方様へ

暑中お見舞い申し上げます。 
猛暑が続いておりますが、くれぐれもお体をご自愛くださいませ。

#バーテンダー

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