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花火に思う

 一瞬の華やかさを夜空に残し、残像の印象深さを競う。美しく儚い夏の夜の夢。

 もう20年はたっただろうか。浜坂へ大人数で海水浴に出かけた。たまたまその夜、町の花火大会が開催されていた。民宿から海岸まで、ほんの数分の散歩である。缶ビールを片手に、腰に蚊取り線香をぶらさげて、ゾロゾロ。海岸はガラガラ。地元の人は、本部のテント近くに集まっているようだ。
 時間通りに、1発目が打ち上げられた。相当デカイ。オーともウオーともつかない歓声が広がる。その後、「ただいまのXXXXX(花火の名前らしい)は、○×商店様の提供」というアナウンスが流れる。しばらくして、2発目が上がった。これが延々2時間。なんとも田舎的で情緒のある花火大会であった。

 その点都会の花火などは、風の向きを計算して見る場所を選ばないといけない。あれだけ連続してドカドカと打ち上げられると、風下は煙ばかりで花火が見えない。安物のピンク街のネオンだってもう少しは落ち着いていそうなぐらい、これでもか、参ったか、まだ足らんのかと、花火と花火とが重なって、イランイラク戦争のスカッドミサイルじゃないんだから、という有様。迫力と豪華さは認めるが、風情や情緒は感じられない。

 8月5日(土)は、十三の花火大会だ。人ごみに出掛けなくても、店のビルの屋上から、ビール片手に鑑賞することになる。店は花火の上がっている間は閉店。よければ、お出かけになりませんか。

#徒然なるままに

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