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バーで飲もう! ラム篇

“ラム”と言うお酒をご存知でしょうか? 
“ラム”の名前は聞いたことがあるでしょうが、原材料や語源、歴史をご存知の方は少ないと思います。(当たり前ですね!^_^;)
ラムはジン、ウォッカ、テキーラなどのスピリッツと並んでカクテルには欠かせないお酒です。

先日、お客様からこの“ラム”がどんなお酒なのか尋ねられたので、このブログをご覧の方にも紹介しましょう。

ラムはさとうきび(甘蔗)を原料とする蒸留酒です。
通常、このさとうきびから砂糖の結晶を分離して、残った糖蜜を水で薄めてから、発酵、蒸留してつくられます。しかし、さとうきびの搾り汁をそのまま水で薄めてつくることもあります。

17世紀のはじめ、西インド諸島のバルバドス島に蒸留技術を身につけたイギリス人が移住してきました。そして、さとうきびを利用して蒸留酒をつくったのです。
この、強い酒を生まれてはじめて飲んだ先住民たちは酔って“狂喜乱舞”しました。この興奮を意味する(当時の英語でrumbullion:現在は死語)ランバリオンの語頭が残って“ラム”という酒名になったと言われています。

現在、ラムは産地や製法によってさまざまなタイプがつくられています。
色によって分類するなら、ホワイト・ラム、ゴールド・ラム、ダーク・ラムに大別することができます。

語源からすると、ラムは“カリブ海の陽気な酒”といった印象を受けるでしょうが、実は悲しい歴史をもっているのです。
世界史に詳しい方なら“三角貿易”たるものをご存知かと思います。

18世紀に入ると、航海技術の進歩とヨーロッパ各国の植民地政策によって、ラムはきわめてユニークな役割を持たされます。
それが植民地史上で有名な“三角貿易”の出現なのです。

まず、アフリカから黒人を船に積み込んで、西インド諸島に送り込みます。カラになった船に糖蜜を積み込みアメリカのニューイングランドに運ぶのです。ここで糖蜜から作ったラムを積み込みアフリカに戻ります。
そして、ラムは黒人の身代金として支払われるのです。

こうして、ラムは世界中をめぐり、黒人奴隷の酷薄の歴史を背景に世界的に有名な酒に育ったのです。
こんな歴史を知ると、ラムを飲んで狂喜乱舞なんてできなくなりそうですが・・・現在はそんな背景はありませんので、思う存分ラムを飲んで狂喜乱舞してください。

あとがき
ラムの主産国です。
プエルトリコ、ジャマイカ、キューバ、トリニダードトバコ、ガイアナ
グアテマラ、マルティニク島(フランス海外県)他

#BAR

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