【速】ボウモア Bowmore 16yo
|
【ファースト】:やや薄い琥珀 煙>燻製>ヨード しっかり感じる南国感(パイナップル パッションフルーツ) アルコール感程よい レモン 植物の葉 極ごくかるく乳酸感
【ミドル】:ボディはボトムがしっかりしている 煙>ヨード>燻製の順 干した麦感 フィニッシュにかけて盛り上がる 果実的な甘さが豊富 やや粘性もあるか
【フィニッシュ】:鼻抜け素晴らしい(++) 返りも強烈(++) 軽い乳酸感 煙>ヨード>燻製 レモン 南国感 パイナップルの甘さ レーズン 干した麦 グレープフルーツ とてもスパイシー 唐辛子 黒胡椒 シナモンもある 余韻は素晴らしく長い 蓮華の花 渋みは少ない
そろそろ93ボウモアも落ち着きをみせているところだと思ったのですが、おそらく周囲の要望に応える形だったのでしょう「もうひとつの93ボウモア」がリリースされました。
【速】ボウモア Bowmore 16yo
1993/2010 (59.9%, The Whisky Agency, “Perfect Dram”,209Bts) a phenolic fruit & flower
basket
1993/2010 (59.9%, The Whisky Agency, “Perfect Dram”,209Bts) a phenolic fruit & flower
basket
率直に申し上げるとなかなか前回ボトルは転売騒動があったためか、正当な評価からかけ離れてしまった感がしていました。
僭越ながらひとりのボウモアラヴァーからいわせて頂ければ、64、66と名ボトルのリリースが相次ぎ、68あたりは長熟本数も多いところで高評価ではありますが、70年代に入るとその魅惑的な南国感は影をひそめてしまった感のある本蒸留所の歴史の中で、前回今回含めてTWAボトリングは(これも私の私見ですが)1969に感じたエッセンスが殊のほか満載でした。
当時はむしろそれ以前が甘過ぎと否定され、ようやくボウモア最良のバランスになったなと言われた、かのジャッコーネ氏も自らに詰めた1969「」ボトルと非常に近いと思ったのです。とはいえ対象ボトルがレア過ぎて気軽に飲めるよう状況にはなく、過去記事には掲載を自粛して、他記事のコメントに書いた程度でありました。
今回の第二弾パーフェクトドラムも路線は同じ。より煙・燻製・ヨード感が強く感じました。
先日銀座で年齢的にも10歳程度先輩ドリンカーさんたちと、近年のボウモアについて話させていただきましたが確かに回帰路線は歓迎できるし、むしろ93を継続できていないことを残念に思うとおっしゃっておられました。95で一部素晴らしいボトルもありますが、80年代と決別して今後を期待したとき、ボウモアに必要な要素は過去の歴史からしても明らかなのかもしれません。
できれば時々は66のバランスも飲みたい。でも何杯も飲み進めるのならば、69、93のバランスが最も優れているのではないか。価格を考えなければ私はそう思います。特に先に上げた3ボトル共通の荒さが残る短熟がいいです。
蒸溜所にも、ボトラーにも、よりパーマネントな良質リリースを期待するために、今からこれらのボトルに高額を積むよりは、「美味しくなったら買おう」という感覚で接した方がいいのではないかと私自身思います(もちろん個々人の自由です)。プレミアムをつければつけるほど本質を見失ってしまうように思います。決して同じではなく同等な要素があるだけなのです。
第一弾については先日の関東ウスケバオフで飲んでいただけましたし、大阪では地方BAR探索者さんとwhiskycat1494
さんの共同企画が開催中のようです。ぜひ無理ない形で楽しんでいただきたいと思います。
***インドアプールとは何か? 気になる単語ですが、決してマイナス要素ではありません。たしかにヨード感が塩素殺菌を思い起こさせるというようなぐらいで、他のボトルでもそれは感じたモノを新たに例えて仰っているのだと思います。ヨードと塩素。。。近いといえば近いしそうでないといえばそう。。。それとアードベッグの案内が届いていましたね。ローラーコースター2010関連?
***くりりんさんが第1段ボトルをたくさんの飲み手の方へブラインドテイスティングで提供してくださって、さらに記事にしてアップしてくださいました。
PDボウモア1993に関する考察
本ボトルは関東ウスケバオフで私がくりりんさんに託したボトルで、内容はもちろん間違いありません。
ここで同記事に寄せた私のコメントを再掲載しておきます。
なるほどー! これは大変興味深いエピソードですね。たくさんの方に試していただけて何よりです。感謝申し上げます。 ブルイックラディを思わせた1993ボウモア。。。これは考えさせられます。 2000年にマーレーマクダビッドが休止中のブルイックラディ蒸溜所を引きとって、2001年にジム・マキュワンさんがプロダクションディレクターになったわけですが、ジムさんは15歳でボウモアの樽職人となってから一貫してボウモアに携わり、1984年にマネージャーに就任(同年は1966/1984サマローリブーケットのリリース年)、1993年当時も在任中で、本ボトルの蒸溜に携わっただけでなく、かのブラックボウモアのファーストリリースが行われた年であることは御存知の通り。。。 正直初飲で私もブラインドだったらどういう事を思ったか分かりませんが、長熟のブルイックラディというのが60年代の同蒸溜所のモルトを思わせたと仮定すると、それもまた興味深いです。。。 ブルイックラディは自前モルティングを1961年に終えて、アイラではいち早くポートエレンからの麦で蒸溜していましたし、1968年インヴァーゴードンが買収して以降ウイスキー不況が重なって迷走を続けました。 1993年のボウモアの方向性が、80年代のパヒューミーなモルトに終止符を打っていただけではなく、ピーティーであって果実感のバランスも程々で短熟でも熟成感(まろやかさ)を感じさせるものであった。。。そのうえそれは今回のブラインドテイスティングで在りし日のブルイックラディを思わせ、近年ブルイックラディはオクトモア等でピーティーで短熟のリリースを続けている。。。なんとなくそこにジム・マキュワン氏の理想像を感じずにはいられません。 1969年のボウモア。。。これはまた私がみなさんに楽しんでもらえるように準備したいと思います。 |
#ボウモア