MENU

A WHISKY DRINKER-2

  

A WHISKY
DRINKER-2


ウイスキードリンカーの視点から、時々思いついたことを書こうかと思っています。

まずはよくご質問いただく内容について。

【3】 ウイスキーの楽しさとは何か?


これはなにより核心的な質問だと思いますので、ひとつ例を挙げさせていただければ、これはウイスキーに限る話ではありませんが、チャンスが有れば「現役のトップ選手と」と「往年の名選手」とがいつでも対決できるというのは大きな魅力だと思います。もちろん往年の選手は、現役当時そのままというわけではないかも知れませんし、遡れるのも限界があるとは思います。でも歴代チャンピオンにどこかで巡り会えるチャンスがあり、新チャンピオンの誕生も目の前にすることができるというのは素晴らしいことで、世代を超えて楽しむことができる嗜好品だといえると思います。

——ここから非常にややこしい話を書きます—–

これは最近広く紹介されている話ですが、人間は3歳ぐらいになるまでの記憶が曖昧です。一説にはそもそも経験したことのない、知識のない事柄を「知覚」したとしても人間は論理的な思考ができず、結果ほとんど記憶に残すことが出来ないからだそうです。逆に言うと、「あらゆる知覚には過去の経験と記憶との間で行われる比較検討が必要である」ということが出来ると思います。

ウイスキーを飲める人であれば、その初期の段階であっても、これまで経験した他の飲食物の記憶を引き出し比較することで、「どんな味であったか」を論理的に認識することが出来ます。そして記憶に残すことが出来ます。
またそれを繰り返すことで蓄積された記憶が、今度はウイスキー同士の論理的な比較を可能とし、より細かな味覚の違いを知ることが出来るようになるのです。

飲み進めることではじめて得られる知覚がある。。。これまで漠然としていた要素をより具体的に明瞭に認識できるという感じでしょうか。経験不足で知覚できないならば、その要素で感動出来るはずもない。。。
こういった感覚器と脳の関係は医学においてもその機序が実証されてきていますし、古くはプラトンが唱えたイデア論の世界観にも合致する概念でもあります。

。。。。。。こんな具合で、私の場合たくさんの記憶を引き出してくれて考えさせてくれるというのも楽しみの一つなんでしょう;; 
なぜかいつもウイスキーのことを考えると、ひたすら頭を回してしまうんですよね。。。

味覚が複雑で、お酒であって、歴史もあると。色々飲んでいけばそれなりに分かる部分もあるはずだと。
だからやめられないんだと思います。せっかくなら楽しみたいので、美味しかったお酒は褒めまくる。

どうせなら次につながる良い記憶だらけにしたいので、なるべくそのボトルにだけしかない良さを明確に褒めて記憶を昇華させたい。
そのためにテイスティングノートを書いて、信頼できるBARへ通い、自分でも買い続けているんだと思います。

#ウイスキードリンカー

この記事を書いた人