【2009年を振り返り、2010年に期待すること ①】
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2009年は閉鎖的だったテイスティングノートと点数をウスケバさんで公開し始めました。7月後半のことです。
半年足らずですが、様々なことを考えることができました。
ブログをやっている意義としては、自分の記憶を明確に出来る限り良いものとして、将来に向けてさらにウイスキーを美味しく感じられるようにしたいということが何よりです。
この点美食家・評論家の方々が料理を採点するような、常日頃から自分の舌を整えるというのとはだいぶ違うと思います。
「味覚とは経験、経験とは記憶、味覚の強弱は比較で測るほかない」という考え方で、もし自らを味覚のセンサーとするためであれば「基準となる同じもの」を何度も定期的に飲食する必要があると思いますが、そういったことは行っていません。同じボトルにであったときに記憶を反芻するぐらいです。
それでもウイスキーが2009年通して、さらに美味しく感じられるようになったことは深く実感しています。それは「いいお酒と出会うことができた」から「いい記憶作り」が出来たというべきなのだと思います。
これは逃げ口上と採られかねないと思うのですが、私は飲み手のひとりであって自腹で自分の飲みたいものを飲んでいます。ですので公開している内容が一般には必ずしも当てはまらないのだということは今年本当に良く分かりました。
「嗜好は人それぞれだから、評価なんて意味がない」。そんな意見もごもっともだと思います。
でも電化製品や書籍、映画に手を伸ばすとき、様々な評判を参考に選ばれたりすることはありませんか?
長い歴史のあるウイスキーを情報なしに片っぱしから飲んで行こうというのは困難なことだと思いますし、それで自分の記憶がいい形に形成されるかどうかもわかりません。
なんとなく自分の嗜好に近い人の言っていることに触れて実践してみると案外良かったり、そうでなくても期待が高まったりする効果がある思います。
そういう嗜好の近い方々と情報を共有して、同じボトルを飲むにしても「その順番」であるとか、飲んでる最中の意識に多少なりともプラスに働けば最高ではないかと今は思います。
そして世界にあまり注目されてこなかったような素晴らしい内容のボトルを発見して、情報も感動も共有する手段にできれば。。。それもまた最高です。
「桃」「アメリカンチェリー」「イチゴジャム」なんていうフレーバーが複数のボトルに書いてあれば、BARでも家飲みでもそれらを同時にまたは短い間に、比較テイスティングすることで程度の差、微妙な違いに触れることが出来ると思います。もしそのフレーバーが好きであればより明確に深く美化された記憶が残る。これが「好物になった」ということなのでしょう。
そのような過程のなかで、他の方の文章やコメントを拝読し「ウイスキーに対する方向性にも様々な方法があるんだ」なということも実感することが出来ましたし、自分はそこでどんな事が出来るのであろうと考えた1年でありました。
→ 具体的ボトル紹介も含めて ②へ続く。
**本ブログ掲載分はタケモトカツヒコの文責です。