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理想のBARとは? それは可能か? 第7回

【理想のBARとは? それは可能か? 第7回】

今回はこれまで書いてきた内容を可能な限りシンプルにまとめます。




BARとして酒を好きになってもらいたいのか、お金を稼ぎたいのか、ここの順序が逆であってはなりません。


好きになってもらえればまた来てもらえて、しかも美味しく飲んでもらえる。


そうすれば自然と店の収益にもなりますよね。


バーテンダーがお酒に対して真摯でないと、飲み手は覚めてしまうのです。

<飲み手に選ばれるモルトバー、繁盛店への道 簡単フローチャート>

① 「チャージ」をゼロとし、客のオーダーにしか利益を載せない。

(食べ物は基本オーダーを受けてから出す)

② スタート時、毎週3本の「価値ある」新規ボトルを追加する。開栓するのに躊躇するボトルは「ラベル酔い」を誘発するため、最初から店に置かない。

(来客数の増加によって追加ボトル数を増やす。減らすことはない。全て売り切れなくても追加することを止めない。価値があるとは、内容が価格以上であり、飲み手が気軽には入手できないなど付加価値を持ったもののこと。オーダーした客を失望させないため飲みごろを過ぎてからは店に置かない。)

③ 価格決めは、当該ボトルの(発売当時の価格を知った上で)ヤフオクの直近落札価格(最低限)など市場流通価格を改めて調べ、仕入れ値と比較し、そのどちらか低いほうに(店の利益)15000円~20000円を載せ、20で割った価格を1ショット価格とする。

飲み手は自らの仕入れ値を知っているという前提で決める。利益は空きボトル×利益額。儲けたいだけボトルを開け提供できるよう努力する。不自然に利益が出ることは避けること。誠実・正直に勝るものはない。バーでの会話、雰囲気で金銭を得たければ「バー」の文字を消し業態を変更するべきである。また、名店では全く利益を載せないまま素の価格で提供をする「目玉ボトル」を用意している。こういった常に飲み手の想像を超えることこそが、バーテンダーに求められる資質であることを知る。

④ 年中無休とする。

酒は飲み手にとっていつ必要になるのか分からない。最低限店が軌道に乗るまで無休とし、店をやらない日は家賃を含め「失う日」だと考える。

⑤ バーテンダーに怠慢が許されることは過去も未来もないことを知る。自らの理想を「信じ込む」だけの毎日を止め、実践を伴う毎日に変える。

甘い人生を求めてバーテンダーとなり、真に成功した人物は1人たりともいないことを知る。

「店を作った」というのは、内装・在庫配置作業を行ったことをいうのではなく、しっかりと来客数を確保し続けられる状況を作ったことを意味する。そのためには当然楽な道のりはなく、飲み手との信頼関係の構築が必須。しっかり完成するための資金計画がないまま出発しても、ガス欠は目に見えている。

上記項目のすべてを守り、それで失敗した場合は、余程酒を選ぶ目がないか、運がないか、接客ができないかであろう。この場合他に成功する方法があるわけがない。

もう一度飲み手としてリスタートするべきであろう。

中途半端な甘い気持ちのバーが乱立し続けることは、お互いの首を絞め続けている(潜在的来客数を押し下げている)ことを知るべきでしょう。

さあ 勝負の時が来ました。

わからないことや自信のないことがあれば、いつでもご相談ください。全力でサポートします。

【追記】

・ストレートの場合、水は常温のものを用意する。

・ボトルからは直で注ぐ。(グラス自体に目印があるとなお良い:オーダーで彫ってくれるところもあります)

この辺りは基本中の基本です。

#理想のBAR

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