【豆】なぜ、古いサマローリ向けやジャッコーネ向けには56.9%表示が多いのだろう?
ご本人に確かめたわけではないので、あくまで推測・噂の域を出ないのですが、
その昔 「カスクストレングスは100プルーフ」
(ブリティッシュプルーフ:100を基準にo.p.(over proof),u.p.(under
proof)という「符号」を持ち、純水がu.p.100で純アルコールがo.p.75となるもので、計算がやや面倒。蒸留水の12/13の密度の蒸留酒の体積密度を100とするよう定められている。温度は51℉(10.6℃)で測定する。この蒸留酒をプルーフスピリットと呼ぶ。イギリスでは、EU標準の国際法定計量機関
(International Organization of Legal
Metrology;
IOLM)
に従い、1980年からは度数に切り替わった。)
と「みなし」ていたというのがもっともらしい話だと思います。
(100)プルーフスピリットは度数で正確に言うと57.1度で、アルコール度数×1.751=ブリティッシュプルーフで表されます。
56.9%と減っているのは瓶詰め時の分け前と考えるのが妥当かもしれませんし、イタリアへの輸入の際の税金を考えると少しでも安くなるようにという気持ちも入っているのかもしれません。
しかしながら1980年以前はブリティッシュプルーフ基準下にあったイギリスと、度数表示であった輸出先のイタリアの間で、変換する際の係数(1.751)が単純に結果に影響を及ぼしたとも考えられます。
具体的な度数を表したというよりは「樽出しそのままです」という意味なのでしょう。
ウイスキーマニアは今も昔も「樽出し」「個性」「自然」にこだわり、加水によって「溶解熱(希釈熱)」が発生することによりモルトのフレーバーが奥にこもる、不安定になることを経験的に嫌ったと思われます。
現在ではフィニッシュ、後熟といって樽同士の混合・加水の後さらに数カ月寝かせることが特にオフィシャルでは売りになっているケースもありますが、やはりこれに異を唱える心情もよくわかります。
きっと56.9%以上も以下もボトルによってはあったんでしょう。
蛇足ですが46度やその他加水のボトルをリリースするようになったサマローリに共通のフレーバーを感じませんか? いわゆるサマローリ味です。
わたしはこれは加水後の後熟に使った樽が影響していると考えています。
どこの蒸留所から仕入れた樽でも、加水した後はサマローリが使った(指定した)後熟樽で数カ月寝る。この影響が明確にでているのだろうと感じています。
#ウイスキーの知識