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Glen Albyn 10y +/-1970 43% OB



 

 

Glen Albyn 10y (43%, OB, J. E. McPherson, +/-1970, 75cl)

蒸留所名
GLEN ALBYN
グレンアルビン
オフィシャル(OB)/ボトラーズ/インポーター

OB

ビンテージ

10年

流通年

1970年前後

度数/内容量/カスクナンバー
43% 75CL 
ボトル形状 ボトル色 ボトル残量

トール瓶 透明 60%

 

総合点数 

94(SGP:469)

S for the Sweet/Fruity scale (honey, fruits, candy, raisins, vanilla, flowers…)

G for the Grainy/Grassy scale (porridge, yeast, grass, malt, wax, beer…)

P for the Phenolic/Smoky scale (farm, peat, sea, tar, spices, liquorice, meat…)

SGP各最大値は9

90-00年代初期 OB マッカラン12年 43°を80点とする
ストック/BAR

BAR  

テイスティング者体調/当日摂取アルコール

普通/モルト1杯目

ファースト

オールド特有の据えた香り 高貴 緑の梅 ビワ 梨 酸味は青リンゴ バニラ 度数以上の上方面芳香 ややプラスティックのヒント

9
ミドル
舌にしみ込みボディは徐々に広がる 至福 口腔上部刺激 輪郭だんだん立ってくる エッジがレーズン すばらしいボディ 甘みは少ない
10
フィニッシュ 

返り優先 切れ上がる ドライ 時間と共に焦げた麦 フランスパン やはり味覚の輪郭が素晴らしい

10
エクストラ(その他)

1970年前後に流通した希少なOB グレンアルビン。 

香りも複雑で素晴らしいのだが、特筆すべきはボディからフィニッシュにかけてのフレーバーの輪郭 ナイフのように切れ上がり、甘みは少ないのだが麦感が引き立ち、時間と共に牧歌的に。これは突き抜けている。

このように熟成年数は若いのに瓶詰め後時間がたっており、加水されているボトル。そういったボトルにも「オールド独特の据えた香り」という表現をいつもしてしまうのだが、少し掘り下げて考えてみる。(少し頭が痛くなるので注意です)

アルコールは、炭化水素基(疎水基)とヒドロキシ基(親水基)からなっている。ヒドロキシ基は水分子と水素結合して水に溶け込もうとし、炭化水素基は水に溶解しないように働く。そのため樽熟成の際溶出した成分が反応したアルコールのうち、炭素数の大きいアルコールでは炭化水素基の作用が強くなり水に溶けにくくなる。

炭素数の少ないアルコールであれば水との反応が進み液体内にその成分を残す。瓶詰めの際加水されるとその傾向はより顕著になる。

炭素数の多い場合は瓶詰めの際共に入れられる空気との反応が進む。カスクストレングスの場合は反応する水に加水タイプと比較して乏しく、共に瓶詰めされる空気との反応が進むか揮発混和するしかないと考える。

炭素数が6以上のアルコールを高級アルコールと表現するが、炭素数が上がっていくとどのような物質になるかというと脂肪族だ。脂肪酸とのエステル(蝋)として動物や植物に天然に存在する物質である。

いつもお世話になっているマスターがよく「レザー感」という表現をされていて、いつも考えていたのだが、初心に帰って考えてみると上記のような説を導き出せる。つまりは空気と反応・混和した高級アルコールがテイスティング者に動物的(レザー)と感じられるか、植物的と感じられるかの違いなのだ。

やはりそれはカスクストレングスに顕著であるが、本ボトルのように瓶詰後時間がたっているボトルにおいても刺激性は低いが、反応が進む時間がある分複雑さを増していく効果はあると思われる。

本ボトルは植物的と感じられた。

もちろん瓶内で発酵するのではない。変化(反応)を起こすのである。これは自然界に存在するすべての物質において起こる現象であり、瓶熟とまで呼ぶかどうかは、大気下における場合とは量の面でまるで乏しいため、判断に困るところ。しかしながら真剣にテイスティングする場面、特に開栓直後(ゴムのような香りなど)においては決して無視できない現象だといえるでしょう。

10
加水
加水せず

#グレンアルビン

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