私は飲み手なので、全くもってその目線からで申し訳ないのですがご質問にお答えします。
「モルト初心者ですが、どのように飲んで行けば楽しめますか」
いろいろと頭を巡らせてみました。ぜひ特集して書きたい内容でもあるのですが、飲むことと蒸留所についての知識つけることを理想的な割合でいうと8:2ぐらいが賢明かなと思います。あんまり本ばっかり読んでポットスチルがどうとかいっても、ブレが大きいからこそハマってしまうのがシングルモルトですし、某蒸留所のマネージャーは公に「6割が樽によって決まる」とおっしゃっているぐらいです。飲まないところであれこれ知識先行することは「スノップ」とか「ラベル酔い」と呼ばれていて、好まれません。
できる限りそれぞれの蒸留所の特色の流行(ハウススタイルの変遷)に乗っかっていくと楽しいのではないでしょうか。たとえばドライさをアピールしてきたアイラのモルトは今大きく変わって、煙感とフルーティーな甘さの融合を重要視しているようです。
あとは日本向け(アジア向け)のオフィシャルボトルと海外(イタリア・ドイツ・北米)向けのオフィシャルボトルの違いの比較も面白いですし、オフィシャルのスタンダード品と、オールドボトルや評価の高いボトラーズのボトルとの比較も面白いです。
やっぱり比較ありきで。たとえばアベラワーのアブナックやファークラスの105が素晴らしかったと、次に飲んだオールドボトルは度数はまるで低いんだけれどトータルとしては全く負けてないかも、とか次第に自分の高評価ボトルの味を記憶していって、なんでこんなに味が違うんだろうってことで蒸留所についてあれこれ書いてる内容を読んでみるっていうのがいいと思います。
そうしたら、うちでも時々書かせてもらっている突出したビンテージ年のボトル(値上がり途中だったりするとぼかして書いています。ぜひBARで聞いてください)を飲んでみるのもいいですね。近年大麦の品種改良からなのか、ボディの広がりとか輪郭を感じさせるボトルが非常に高価になってきました。古いボトルに出会ったときは、ぜひ麦感とフィニッシュ前のボディの広がりに注目してください。ハマります。
それでも自分の特定蒸留所へのイメージを次から次に変えさせるようなボトルに出会うもんなんですよね。これは「かかりつけ」の良いBARを見つけてリピートしていくことで、そこのバーテンダーさんが期待に応えてくれるものと思いますよ。
やっぱりハーフショットでは良さは十分わからないと思います。数も大事ですがぜひ1つ1つしっかりとテイスティングしてみてください。また女性の方は香りと花や果物、お菓子とのリンクが素晴らしい方がたくさんいらっしゃいます。ぜひチャレンジしてみてください。
#理想のBAR