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ウイスキー樽について

樽

【ウイスキー熟成に用いられる樽について(代表的なもののみ抜粋)】

原材料

ウイスキーの熟成に使われるのは樹齢100年以上の良質なオーク=楢(ナラ)。

オーク:ブナ科 コナラ属(学名:Quercus)の植物の総称。模式種のヨーロッパナラ(ヨーロッパオーク、イングリッシュオーク、コモンオーク、英名:Common Oak、学名:Q. robur)が代表的。なおアカガシ亜属 Quercus (Cyclobalanopsis) は別属とすることがあるが、オークには含まれる。

あわせて数百種以上が知られ、亜熱帯から亜寒帯まで北半球に広く分布する。日本語では落葉樹の種群はナラ(楢)、常緑樹の種群はカシ(樫)と呼ばれるが、英語および多くのヨーロッパの言語はこの二つを区別しない。ヨーロッパのオークの多くは日本でナラと呼ばれる落葉樹であり、常緑の樫は南ヨーロッパ以外では稀である。明治時代の翻訳家が落葉樹のオークを樫と誤訳した例があり、現在も混同されやすい。温暖な地域に分布する常緑のオークはライヴオーク(live oak)と呼ばれる。

ホワイトオーク (北米産)

ウイスキーの樽材としては最も高い頻度で用いられている。

タンニン【植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称:口に入れると強い渋味を感じさせる。これはタンニンが、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることによると言われている。このようなタンニンによる粘膜の変性作用のことを「収れん作用」と呼ぶ。渋味は厳密には味覚の一種というよりも、このタンパク変性によって生じる痛みや触覚に近い感覚だと言われており、このため渋味のことを収れん味と呼ぶこともある。】

リグニン
【植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物で、木質素とも呼ばれる:光合成(一次代謝)により同化された炭素化合物が更なる代謝(二次代謝)を受けることで合成されるフェニルプロパノイドのうち、p-クマリルアルコール・コニフェニルアルコール・シナピルアルコールという 3 種類のリグニンモノマーが、酵素(ラッカーゼ・ペルオキシダーゼ)の触媒の元で一電子酸化されフェノキシラジカルとなり、これがランダムなラジカルカップリングで高度に重合することにより三次元網目構造を形成した、巨大な生体高分子である。その構造は複雑で、いまだにはっきりとはわかっていない】

などの成分がウイスキーの熟成に味覚、香りを与える。

コモンオーク (ヨーロッパ産)

スパニックオークなどのヨーロッパ産ナラ。ヨーロピアンオークとも。北米産のホワイトオークと比較すると、

ポリフェノール【ほとんどの植物に含有され、その数は5,000種以上に及ぶ。光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きをもつ。フラボノイド (カテキン アントシアニン タンニン ルチン イソフラボンなど) フェノール酸 クロロゲン酸 エラグ酸 リグナン クルクミン クマリン などの総称】

が豊富だという。

ミズナラ (日本産)

水楢、Quercus crispula)は、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。温帯の落葉広葉樹林の代表的構成種である。別名、オオナラ(大楢)。

近縁のコナラやクヌギより寒冷な気候を好み、鹿児島県高隈山を南限に、北は北海道から樺太・南千島まで分布する。ブナと並んで落葉広葉樹林の主要樹種の一つである。ブナに比べると、やや明るい場所を好む。樹高は、大きなものでは35mに達する。葉はつやのない緑で、コナラよりももっと波打つようなはっきりした鋸歯(輪郭のギザギザ)がある。5月頃に長さ5cmほどの花を咲かせ、秋にはドングリが熟す。

コナラと同様、シイタケ栽培の原木などに利用される。ドングリは灰汁抜きをすることによって食用になる。現在はほとんど食用にされないが、かつては山村の重要な食料だった。

なお、日本国内ではミズナラから派生した亜種としてフモトミズナラ(近年まで”モンゴリナラ”と呼ばれてきた丘陵帯分布の集団)およびミヤマナラ(偽高山帯分布の矮性個体の集団)の存在が知られている。

心材はくすんだ褐色。加工性、着色性に優れる。重厚で強度が大。重厚感がある。特に北海道のものが良質とされ、「道産の楢」(ジャパニーズオーク)と呼ばれ、輸出もされ盛名を馳せた。近年では国産ウイスキーの熟成樽としても利用されており、国際的に高い評価を受けている。

長期熟成により、伽羅(きゃら)の香りとも白檀(びゃくだん)の香りともたとえられる独特の熟成香を身につける。

バーレル
最大径/69cm 長さ/91cm 容量/180L

内側を強く焼き、バーボンの熟成に1回使用した樽。現在スコッチウイスキーの貯蔵に最も高頻度で用いられている。容量が小さく熟成が早い。木の香りが付きやすい。ちょうど一石(こく)なので石樽とも呼ばれている。別名バーボン樽。バーボンは必ず、内側を強く焼いた新樽で貯蔵しなければならないとされ、一度使った樽での貯蔵は許されない。小さい樽ほどウイスキーが樽材とふれる面積が大きくなり木香の影響が出やすいため、長く寝かせるモルトウイスキーや風味の軽いグレーンウイスキーの貯蔵には、バーレルの新樽は向かない。

(一度バーボンを寝かせた古樽がモルトウイスキーやグレーンウイスキーの熟成には適しており、バーボンの空き樽や、再生したホグスヘッド樽を用いている。)

ホグスヘッド
最大径/75cm 長さ/89cm 容量/230L

樽の重さが豚(ホッグ)1頭分と同じ重さであることから。バーレルを一旦解体した側板を活用し、大きい鏡板を使った樽。木の香りとバニラ香が付きやすい。

樽材は、北米産のホワイト・オーク(サントリー)。長さがバーレルと近似なのは、この樽はバーレルの古樽をばらして、側板の数をふやした再生樽だから。
サントリーでは、こうした組み立て樽のほか、白州蒸溜所に付属した製樽工場で、このタイプの新樽もつくってきたが、白州モルトのエステリーでマイルドな香味づくりを狙って、バーボン樽と異なり内側の焦がし方を軽めとしているという。

パンチョン
最大径/96cm 長さ/109cm 容量/480L

ずんぐりした形が特徴。北米産ホワイトオークの柾目板を使用(サントリー)。長期熟成向け。本来はラムの貯蔵に用いられた。木の香りはさほど強くなく、端麗な味の原酒ができる。昔はビールやワインの貯蔵用大樽をさしていたらしく、容量は330〜550リットルほどだった

シェリーバット
最大径/89cm 長さ/128cm 容量/480L
スペインでシェリーの貯蔵用につくられ、使われてきたスパニッシュオークの樽。ジェリーの香りや甘みが加わり、濃く赤みを帯びた色合いとなる。

 

#ウイスキーの知識

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