今週はちょっと常連さんの顔をお見かけしなくて寂しい若造です
2月は何かとお忙しいのでしょうね。体調だけはお気をつけて・・
さて、今日は貯蔵・熟成についてやります
蒸留直後の酒は荒々しく、刺激が強いので樽の中で熟成させる必要があります
ウイスキーでは木製の樽を使用します
樽貯蔵の主な作用は
○酸化熟成の進行
○エステル化の進行
○アルコールと水分子の会合進行
○樽成分の溶出
○アルコール、水及び未成熟香の蒸散し、度数、容量が変化する
などがあります。これも出ますね
年に2~3%ずつウイスキーが蒸散していくことを「天使の分け前」といいます。
年に2~3本ずつお店のウイスキーがなくなることを「店主の分け前」といいます?これはでません
ルイパストゥールは、熟成をこう定義しています
熟成とは、樽の中にわずかに酸素が取り込まれることで、酒中のアルコールと有機酸によるエステル化の進行、酸化による重合や分解による味の変化である
これも出ますねぇ~
そんで、熟成の効果を大まかに3つに分けると
○貯蔵中に消え行くもの・・・未熟感に関与するもの
○貯蔵中に発現増加するもの・・・熟成感に関与するもの
○貯蔵中に変化しないもの・・・基本的な特徴として存在しているもの
でございます
樽熟成の進行としては、まず揮発。低沸点部分の硫黄化合物、カルボニル化合物などが熟成の初期段階で揮発によりなくなります。これらは刺激臭のもとですので、不快な香りがなくなります
次に熟成。味に丸みが出て、複雑さを帯びます。
有機酸やアルコール類が結合することで、様々な香味成分が生まれます
そして調熟。長時間貯蔵させると、アルコール分子の中に水分子が入り込み、分子塊(クラスター)を形成します
これによりまろやかな口当たりになりますです
アルコール発酵の際に、副生成物としてアミノ酸の代謝によって生じる高級アルコールの総称をフーゼル油といいます
これらが、酸と反応して出来るエステル類には果実のような芳香があります
高級脂肪酸がモロミ中でエチルアルコールなどと化合して出来る油性成分を高級脂肪酸エステルといいます
アルコール55%以上だと溶解していますが、40~43%の時には金属などと結合して濁ったりします
これは通常チルフィルタリングをして取り除きます
復習
Q① 濁った麦汁には何が多く含まれているか
Q②樽材からウイスキーに分解、溶出するものは
Q③ 高級アルコール類や、高級脂肪酸類は貯蔵中にどうなるか
Q④ スコッチの最低熟成年数は
Q⑤ カリラの年間生産量は
答えは追記
A① 不飽和脂肪酸
A② バニリン、クエルクスラクトン、タンニンなど
A③ 変化しない(高沸点成分のため)
A④ 3年
A⑤ 400万リットル(アイラ最大)
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