灯油の減り加減に萎えきる若造です
はやいよ~高いよ~
ウイスキーコニサーの教本に沿ってしています
沿ってやってたらまた製麦になりました
以前にやった製麦の項目はあくまでも概略ですので、これからは少し内容が濃くなってきますがお付き合いくださいまし^^;
まず、製麦とは
大麦から粒中に十分な糖化酵素を発生させたグリーンモルトを経て、保存性のある乾燥麦芽へ変換させる工程です
モルトウイスキーでは、麦芽をつくる専門業者(=モルトスター)が各蒸留所の指定の規格に沿って製造したものを提供することが多くなり、蒸留所で独自の麦芽を作り続けているところは少ない
そもそもモルトとはなんぞやというと
酵素を生じた麦芽です
一般に大麦を発芽させ、内部に存在するでんぷん分解酵素を活性化したものを指します
酵素により、大麦の主要成分であるでんぷんを糖分へ変換させ、それを酵母が食べてアルコールを生み出します(発酵)
また、このときタンパク質をアミノ酸へと変換する酵素なども同時に活性しています
大麦以外の穀物を発酵させたときは、例えば「ライモルト」などと呼びます
ウイスキー製品でモルトというと、シングルモルトを指しますね
製麦の目的は
① 大麦の胚芽を発芽させ、でんぷんを糖に、たんぱく質をアミノ酸に変える為の十分な酵素(糖化酵素、たんぱく質分解酵素)を大麦粒中に生成する
② 大麦中のでんぷんとタンパク質が、容易に水(温水)に溶ける状態にする
③ 加熱乾燥時に特有の香りと色をつける(ピート薫煙によるフェノール系刺激香などが付加される)
発芽に必要な条件は水と酵素と適度な温度(製麦工程で12~16℃)です
大麦に含まれるでんぷんは、胚乳のヘミセルロースなどで出来た小部屋(細胞)の中で極小の状態で存在し、周りはたんぱく質で覆われています
水と酸素が入ると胚盤の裏側に植物成長ホルモンのジベレリンが生じます
ジベレリンがアロイロン層に到達すると、ここで酵素が活性されます
それが各所に分散して、細胞壁やタンパク質を分解し、でんぷんの粒に到着。糖やアミノ酸などの分解物を生じさせます
これが胚盤で吸収されて、根や芽の成長を促します
麦粒中の酵素が活性化したグリーンモルトになった時点で、保存性のある乾燥麦芽へと加工されます
グリーンモルトは、チョークのように字が書ける固さが目安のようです
製麦方法は、今ではモルトスターがサラディン式やドラム式の製麦法で作ったものを供給してもらうことが多いです
伝統的な手作業のフロアモルティングは一部でしか行われていません
最新設備では、原料を工程ごとに移動、入れ替えをする必要がなく、一箇所で完了できる高層塔処理のタワー式があります
続く
復習
Q① 真ん中の農場の意味の蒸留所は
Q② 泡沫相での酵母の反応は
Q③ 液相での酵母の反応は
Q④ 麦芽の乾燥時の温度は
また、なぜその温度で行うのか
Q⑤ ラインアームを約15度上方に傾けるといったやや変則的な形態をとっている蒸留所は
答えは追記
A① バルミニック
A② 酵母中のビタミンB1の分解により、イースティな香気成分の生成、ボディを強めるような反応
A③ メイラード反応による、クックドシチュー、ローストなど、煮込んだような香ばしい反応になる
A④ 70度くらい
発芽によって活性化したでんぷん分解酵素やたんぱく質分解酵素を保持するため
A⑤ グレンカダム
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