モルトウイスキーの製麦→糖化→発酵→蒸留→熟成→瓶詰めの工程を前回まで書いたので、今日は原料についてやります
モルトウイスキーの原料は「大麦」ですね
イネ科オオムギ属に分類されます
播種時期は、春播きと秋播きがあります。主に春播きのものがウイスキーには使われます
春に播いて夏から秋に収穫します
その中で、二条大麦と六条大麦があります
二条大麦は軸につく実のうち、中央2列の小穂だけしか成熟しませんので扁平に見えます
粒の数は少ないですが、大きいです
でんぷんが多く、タンパク質は少なめ、別名ビール麦とも言われます
スコッチやジャパニーズ、ビールには二条大麦が主に使われます
六条大麦は、3つの小穂が穂軸に等角度につき、上からは正六角形に実がなって見えます
粒の数は多いですが、実は小ぶりです
でんぷんが少なめで、たんぱく質が多い。二条大麦と逆ですね
で、糖化酵素の力が大きい傾向にあり、アメリカンウイスキーの原料、グレーンの糖化などに使用されます
一般的には麦ご飯や、麦茶に使われます
タンパク質の比率が多くなると、酵素力が強まる傾向にあり、糖化の時に有利です
しかし、発芽時に発熱しやすく、糖化が均一でない溶けの悪い麦芽が出来て、エキス収得量が少なくなる場合もあるそうです
大麦品種としては、19世紀頃まではベア種、ビッグ種(粗六条大麦)が知られていました
ベア種は5000年前から存在している古代種で、ガラス質の割合が多く、アルコール収量も低いものでした。
1826年頃、ザフォークの農夫アンドリューズが、野生麦から変わった麦を見つけ、独立種として発表し、シュヴァリエが登場。1900年頃までは英国では、シュヴァリエがえらい子で主要品種でした
スコットランド産の大麦は、イングランド産に及ばなかったのですが、1960年頃、初めてイングランド産に対抗しうる、ゴールデンプロミスが誕生
この辺りから品種改良がめまぐるしく、現在ではオプティック種が主要品種です
何をもって優秀とするかは、アルコール収量です
1900年頃のシュヴァリエは1tの麦芽に対して、300リットル程度のアルコールを得ていました
ゴールデンプロミスは、385~395リットル程度
現在のオプティック品種は410~420リットルまで増やせたようです
2005年の時点で優良品種は、オプティックをはじめ、チャリス、デキャンター、トルーンなどがあります
国内品種では、ニシノチカラ、ミカモゴールデン、あまぎ二条などがありますがもっぱらビール用で、ウイスキー用は輸入しているようです
復習
Q① ゴールデンプロミス(G)、オプティック(O)、チャリオット(C)、シュバリエ(S)、ベア(B)を古い順に並べると
Q② 1881年頃オーストラリアかアメリカにもたらされた、日本で醸造用最適種として最も長く全国で栽培されることになった品種は
Q③ 六条大麦の中で、粒づきが粗く、上から四角に見えるものをなんという
Q④ ラーグスの戦いは西暦何年に起きたか
Q⑤ 1296年に運命の石を持ち去った人物は
答えは追記
A① B→S→G→C→O
A② ゴールデンメロン種
A③ 粗六条種(四条種)
A④ 1263年
A⑤ エドワード1世
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