1月も終わりましたね、2008年になってから始めた「WPへの道」も23回です
何回くらいいくんだろ?頑張ろう
これからもどうぞよろしくお願いします
今日は蒸留について少しやってみます
発酵を終えて、モロミは蒸留釜(=ポットスチル)に移されます。主に銅製の単式蒸留釜です(モルトウイスキーの場合)
各蒸留所によってこだわりのサイズがあり、同じものはどれひとつありません
スチルの上部は、白鳥の首のように見えることから、スワンネックと呼ばれますがこれも色々でストレート、ランタン、バルジ、オニオン、T字シェイプ、ローモンドスタイルなどがあります
これによっても風味が変わってきます。全蒸留所のを覚えるのはちときついか・・
スコットランドでは、2回蒸留が主流です。一回目の蒸留を行うスチルをウォッシュスチル、2回目の蒸留を行うスチルをスピリットスチル、またはローワインスチルといいます
蒸留は、アルコールの沸点(78.3℃)と水の沸点(100℃)の違いを利用したもので、先に沸点の低いアルコールが気化します
スチルを加熱するのにも二通りあります。
直火焚きと間接加熱です
直火焚きは石炭やガスなどを使って・・・読んで字のごとく直接加熱します。こちらが伝統的な方法です
間接加熱は、スチールのパイプを蒸留釜の中に通す方法で、スチームコイルやスチームケトルなどの形状があります。
直火焚きに比べて焦げ付きの心配もなく、清掃も楽なので今ではこちらが主流です
気化したアルコールは釜の首の部分から、パイプ上のラインアーム(ライパイプ)を通り、冷却装置(=コンデンサー)に運ばれ、冷却。液化されます
コンデンサーはシェル&チューブと呼ばれるものが今では主流ですが、伝統的なワームタブを使用するところもあります
ワームタブは、水を張った巨大な桶で、中に蛇管(ワーム)が通っています。広いスペースと大量の冷水が必要なので、燃費は良くないのですが、比較的ゆっくり冷却が進むため、フレーバーが豊かになります
ここで得られる液体をローワインといいます。大体一回の蒸留で3倍くらいのアルコールになるので21~24%らいの蒸留液が得られたことになります
次に得た液体を再留釜に移して2回目の蒸留を行います
一回目と大体同じことを繰り返しますが、ひとつ大きな違いは、コンデンサーを通った後スピリットセイフというガラス箱の中でミドルカットという作業を行うことです
蒸留液も、最初の方に出てくるもの(ヘッドまたはフォアショット)や、最後の方に出てくるもの(フェインツまたはテール)はアルコール度数が不安定だったり不純物が入っていたりするので、真ん中の部分(ミドルまたはハーツ)だけ熟成に回します
この作業は経験と技術をかなり要するようで、スチルマンと呼ばれる蒸留職人の腕にかかってます
通常熟成にまわされるミドルカットは20~30%ほどで、一旦タンク(=スピリッツレシーバー)に貯めます
フォアショッツ、フェインツはローワインに混ぜられ、次の蒸留にまわします
スピリットレシーバーに貯められたものが熟成にまわされます
う~ん、熟成年数などに目を向けがちですが、こういった仕込みの段階が大きく酒質に影響するのですね!
復習
Q① 3回蒸留において、ウォッシュスチルとスピリッツスチルの中間にあるスチルをなんというか
Q② アルコール分が無くなり、ウォッシュスチルに残った溶液をなんというか
Q③ 直火焚きを行ううえで必要な焦げ付き防止のラメジャーは、何製か
Q④ サイトグラスとは
Q⑤ ローモンド式スチルを使用している蒸留所
答えは追記
A① インターミディエイトスチル
A② スペントウォッシュ(ポットエール、バーントエール)
A③ 銅
A④ あわ立ちを確認するための覗き穴。初留釜に付けられる
A⑤ ロッホローモンド、スキャパ
#WPへの道