昨夜は、今年初めてとなりますスコ文研 静岡支部のテイスティングセミナーを開催させて頂きました。
昨年よりやりはじめましたアルファベット順で銘柄をチョイスしてのテイスティング会ですが、なかなか進まずにようやくまだ「D」ということで世界的にも人気の蒸溜所となったグレンドロナック蒸溜所の輸入代理店による時代別水平テイスティングや、リミテッドエディションの飲み比べ。そして恒例となりつつありますフードペアリングをご用意させて頂きました。
グレンドロナック12年は、丸紅時代のオーク樽熟成、サントリー時代、現行品。
この三種類の飲み比べは本当に面白く、丸紅時代に関しましては樽が違うので今の物とはまったく味わいの感じが違うのですが、樽からの影響ではなく奥底にあるグレンドロナックの骨格が感じ取れる飲み比べとなりました。
これにペアリングとしてご用意させて頂いた1皿が、マッシュルームのエクストラヴァージンオリーブオイル和え トリュフソルトを振りかけてです。
経年によりややオールドボトル特有の老香を感じられた点から、この部分をマスキングさせてウイスキーの甘みを前に出す作用を考えた次第です。
サントリー時代の12年は、オーク樽熟成とシェリー樽熟成のものをブレンドさせた物。やはりこれも少しだけオールドの香りを感じました。
シェリー樽特有のサルファリーな部分が若干前にでて来ているのが感じられました。これは、甘い物と合わせた方がいいのか?と考え色々と試してみましたが、甘い物と逆に逢わせるとどうもビターな味わいが表に出てしまうと感じてしまいましたので、急遽当日になりメニューを変更させて頂きました。 こちらと併せさせて頂いたのは、「フランス産 鴨肉のロティ バルサミコのジュレ寄せ」です。 鴨肉からです脂の旨味とバルサミコの甘さと深いコク、酸味がウイスキーのサルファリーな部分をマスキングさせてバニラ香とシェリー由来のレーズンの様な味わいと余韻が楽しめるようになります。
現行品のグレンドロナック12年には、最後に甘口のペドロヒメネスの樽が熟成に使われているだけあり甘みと余韻をしっかりと感じ取れる事が出来る味わいに仕上がっております。 シェリー樽熟成のお好きな方にとっては安心する味わいだったのでは無いでしょうか。 こちらと併せさせて頂いたのは、当店の人気チョコでもあるドライイチジクのPX漬けをチョコレートでコーティングさせて頂いたものでお楽しみ頂きました。
こちらのペアリングは、あえてお互いが寄り添うような味わいとなり元々あったかのような味わいにより膨らみを感じさせ相乗効果を感じる組み合わせとなりました。
最後にグレンドロナック 1994 バッチ9ですが、こちらは最初からペドロヒメネスのパンチョンの樽で熟成をされているだけありしっかりとしたボディと甘み、レーズンやスパイスの香りを感じ取れます。
これと合わせるにはそれなりの甘みとパンチが必要だと思い、浅草のBar DRASさんでもお出ししていらっしゃるハーブリキュールで練り上げた羊羹を参考にさせて頂く事に致しました。 今回私が試みたのは、ドランブイとアンゴスチェラビターズ、バニラビターズ、etc..と言う形である種カクテルを作り上げていくような感覚で練り上げました。 こちらと合わせますと、羊羹の甘さを心地よくシェリー樽の長期熟成品にみられがちなややビターなフィニッシュが柔らいでフィニッシュのビターさが心地よいスパイスの香りとレーズンの味わいに変化致します。
みなさまにお好みのペアリングを聞きますと、94のドロナックとオーク樽熟成の丸紅時代とマッシュルームとの相性が楽しかったとご意見を頂きました。
そして、最終的にはやはり恒例のブラインドテイスティングへとうつります。
今回は、レベルを2つに分けてはじめての方には使用をしている樽はなんでしょう? というブラインドテイスティング。熟練されている方には通常通り銘柄と熟成年数を当てて頂く事に。
使用をしている樽は、さすがに初心者とはいえウイスキーラヴァー達。参加者全員が正解! そして、熟練されている方々には銘柄を・・・と思ったのですが・・・残念ながら昼の部では、正解者 0 難しかったかもしれません・・・。そして夜の部では静岡支部の世話人でもあるM氏に登場して頂きました。実を申しますと彼はなんと、今の所全勝! ・・・流石です・・・ノーヒントで正解です! 凄いです。 それだけ飲んでいる歴が違うんでしょうねwと同時に彼は新婚旅行でこの蒸溜所へ訪れておりますので当ててくるのは当然ですしむしろ正解していただきたかったですから。
ブラインドテイスティングは、決してゲームとして行っている訳ではないのですが味覚を鍛える練習になるので、毎回行っております。 途中から心理戦となるのですがねw マスターの性格だったら・・・とか、あの辺で音がした・・・とか。(笑)
そんなやり取りをしながら、ウイスキーを交えて皆さんでの交流を深めていく事が出来るのもこの界の主旨でもあります。
はじめて参加をして頂いたお客樣方にも、また次回も宜しくお願い致します!とおっしゃって頂く事が出来てほっとしております。
次回は5月下旬を予定しております。
次は 「 E 」です。
やはり、あの小さな小さな蒸溜所となるのかな?
ぜひ皆様のご参加(挑戦?)をお待ちしております。
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