レインボー・チャリティー・カクテルラリーが終わり、この数日間。
新たな、バー・ホッパーが増えてきているような気がいたします。
そんな中。
このラリーにより、初めていったBARやBARを梯子をすることに楽しさを覚えていただくことができたようです。
まさに今回のラリーの目的を果たせたと言えるでしょうか?
BARをはしごすることに対して、なぜ?という言葉をかけられることもあるかと思います。
「人は、なぜBARへ行くのか?」
という本があるように、まさに「なぜ」なのか?
カウンターの中にいる私たちも、実はBARホッパーなのです。
なので、今日はいちBARホッパーとして書かせていただきます。
つい先日、東京へお邪魔してきました。
研修という形ではあるのですが・・・。
新しいBAR、昔からお世話になっているBAR。
気持ちを高めるBAR、凛とするためのBAR。
私の中にも様々な使い方があります。
なぜこんなにいくのか?
無論同業としての私にとっては、勉強というのが先に来ます。
ですが、今回はいちホッパーとして書かせていただくのでそのつもりで読んでください。
私にとってのBARは、常に
「新しい場所、新しい気持ちになれる場所」
「体全体でその空間に身をゆだね、その素晴らしい時間に酔いしれる事が出来る場所。」
そんな風に思います。
むろんカクテルやウィスキー、様々な酒との出会いも楽しみなのですが、私はそれよりも様々な「BARの扉」を開ける瞬間が一番好きなんです。
ゆっくりと開けた瞬間、いつも伺っているお店でも毎日同じ空間ではないのです。
今日はお客様が多いな。今日は僕がカウンターを独占だ。
そんな風に思う瞬間でもあります。
お店には申し訳ないのですが、お客様が少ないと嬉しくのなるのがBARの住人の常であるのではないのでしょうか?(とはいっても困るのですがね)
しかし、どんな空間であり雰囲気であっても、常にお邪魔しているBARのカウンターに立っているバー・テンダーは、いつも同じ笑顔で迎えてくれる。
その安心感が、またこのお店に通いたくなる要因でもあります。
そして、新しいBARへお邪魔する時は、BARの扉の前に立ち、少しだけ心の緊張をさせる。
この緊張感がなんとも心地がよいものなのです。
BARの住人として、初めてお邪魔するお店ではバー・テンダーの案内を待つものなのです。
このお店の先住人の専有席があるものなのです。
今は少なくなってしまいましたが、毎週何曜日の何時にはOO様がお越しになられ、いいつもの場所に座る。
そんな時の為の席をバー・テンダーは取っておくものなのです。
席を案内され、しばしこのBARの空間に溶け込むまで息をたたず見ながらファースト・オーダーを考える。
この間が、なんとも言えません。
バー・テンダーの技量を試すことも一般のお客様ではよくあることでしょう。
ですが、私は恐れ多くも客でもあり、バー・テンダーのはしくれでもありますから、そんなことは思わず常に勉強をさせていただく為の注文をさせていただく。
15年以上もこの仕事をしていると、そのカクテルでバー・テンダーの性格や心情、佇まい、優しさが伝わってくるものです。
無論、まだまだその境地に達するまで相当な酒修行が必要であるが、幸いにもこのカクテルを生業としていると、わかるようになってくるものです。
そして、やはりバー・テンダーとの会話。
私は自分が同業であることをタイミングを見計らって最初に伝えれるようならば必ず言うことにしています。
それが、礼儀だと教えられておりますから。
重鎮である先輩方のお店に伺う時は、必ず名を名乗り「静岡のBAR NO’AGEの井谷と申します!今日は勉強させていただきます!」と言います。
重鎮のバー・テンダーのお店に伺う時のBARの扉というのは、本当に重いものです。
開けた瞬間に感じる人の気持ち、築きあげてきた空間、押し寄せてくる歴史の波。
それを感じる事が、心地いいものです。
カウンターに座ることにより、先人たちの思い出、幸せの時間、嘆きの歴史。
それを、想像するだけで身が引き締まる思いにさせられます。
BARの扉は、その瞬間を感じる為のファースト・アクションなのです。
では?
なぜホッピングするのか?
だって贅沢じゃないですか?
その一つとして同じでない空間と時間への入り口を、何度も開ける事が出来すのですからね・・・。
だけど、必ず同じものがあります。
それは、心やさしくも厳しくもある「バー・テンダー」がカウンターの中でお客様をお待ちしていることです。
そんなバー・テンダー達に会うことが、もしかしたら一番の理由なのかもしれませんね。
いや、確実に・・・。
今宵も、どこかのカウンターでそんなホッパーというBARの住人が増えるよう、今後もBCSは努めていきたく思います。
さて、ブログを書いていたらそろそろミーティングの時間です。
今宵も、BCSの深夜ミーティングに行ってまいります・・・・。
それでは、また
いい夢をご覧くださいませ。
#バーテンダーの独り言