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ノスタルジーを感じながら

BLACK & WHITE 1960~70年代

ジェームズ・ブキャナンは、ヴィクトリア時代を代表する企業家であった。
グラスゴーの船会社の事務員として働きだしたのは14歳のころだが、賃金が安く退屈な仕事に飽き足らなかったブキャナン少年は、当時大英帝国の首都であったろんどんに進出する機会をうかがっていた。夢が実現したのは1879年、30歳の頃で、ウィスキー・ブレンダーとしてジェームズ・ブキャナン社をロンドンに興すことに成功した。
彼が目指したのは、ロンドン子にも受け入れられるスムーズな味わいの酒であった。

ウィスキーに潜在的なニーズはあったものの、まだ当時ではブレンデッドが誕生して間もなかった為、風味の強いモルトのほうが主流であった。

良質のモルトとグレーンをブレンドして、初心者や若者でも飲みやすいマイルドなお酒を作るのが彼の夢であった。

彼のブランド「ブキャナンズ・ブレンド」が誕生したのは1884年のことで、企業家らしいアイデアあふれるブキャナンは、ボトルやラベルのデザインにも都会的なセンスを持ち込んだ。

黒いボトルに白のラベル。
飲みやすさと風味もさることながら、新しい物好きなヴィクトリア時代人には大いに受けた。

80年代後半には、「ハウス・オブ・コモンズ」(英国下院議会)の指定銘柄にまでなった。

しかし、このブキャナンズ・ブレンドは一般にそのデザインから「ブラック&ホワイト」という愛称が広がり1904年にはこの愛称のほうを正式なブランド名にしてしまった。

しかもよりこの色合いを象徴するために黒い犬のスコティッシュテリアと白い犬のウェストハイランド・ホワイトテリアの2匹をラベルに登場させ、より人気を得て彼のブランドは不動の人気となった。

やがて、世界中にこの「ブラック&ホワイト」は浸透していきスコッチ業界をはじめ、対外輸出に貢献したということで、准男爵からウーラヴィントン卿という、押しも押されぬ貴族に叙されている。

ブキャナンは1935年にこの世を去ったが、彼の死後もブキャナン社は繁栄を続け、
コンバルモアやグレントファース、ダルウィニー蒸留所を手中に収め、ウィスキー事業を拡大していった。

現在のブラック&ホワイトはディアジオ系列になっているが、ダルウィニー、グレンデュラン、クライネリッシュの3つのキーモルトを中心に、上記のコンバルモア、グレントファース、アバフェルディなどお35種のモルトとグレーンをブレンドしている。

その中でも、結構昔のボトルになります。
70年代の頃に流通していた商品です。
その味わいは、本当にモルティーかつマイルド。枯れた感もやや感じるがそれが本当にいい味わいをかもし出している。

なくなる前に、一度はお飲みくださいませ。

#愛してやまないモルトたち

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