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テイスティング時のチェック

 モルトウイスキーをテイスティングするチャンスは、バーテンダーも一般の方々も大差はない。ただ、どれだけ真面目に参加するかに掛かっていると思う。業者向けの試飲会もあるがそんなに多くはないし、各店が色々な企画で行う試飲会には日時の都合で参加しにくい。私の場合は、試飲会のお試し部分がとれて、飲み会化しないよう注意する必要がある(ただ酒ほど美味いものはないのだ)。

 この両者で根本的に大きく異なるのは、売るための酒を決めるのか、楽しむための酒を選ぶのかの違いにある。売るためには、自分の好みだけで判断することは出来ない。また、品質と価格のバランスも考慮する必要もある。ほかには、同じボトラーに偏らないように注意を払う。先入観を持たないようにも気を付けている。

 熟成年数・アルコール度数・色・レッグの出方・香り・味・加水後の変化・テール(後味)の8つの項目をチェックしていく。1種類のモルトウイスキーに使う時間は長くて5分ぐらい、だいたいは2~3分である。一度に試飲するのは10~15種類ぐらいが限界。それ以上になると覚えきれない。(単に頭の構造が単純すぎるからかもしれないし、酔っ払ってくるからかもしれない。)

 スコッチモルトウイスキーで今までに飲んでいないのは、ベンウイビスとキニンビーの2つの蒸留所の物だけである。飲んだウイスキーの全てを、ちゃんと覚えているとは思わないが、自分なりのウイスキー地図ができあがっているので、一口飲んだだけで、本能的に地図のどこらあたりに位置するかはめ込んでいく。(ウイスキー地図の作り方に関しては明日アップする予定)

 はっきり言い切ってしまうと、どれだけ金と時間を掛けてウイスキーを飲んだか、がテイスティングに求められている要素なのだ。メモを残したり、携帯で写真を撮っておくのも、一つの方法ではある。しかし体調や、その酒を飲む前に何を食べたかによっても、そのウイスキーの感じ方は変わってくると思う。

 私の場合、本気で試飲するときは、前日に飲み過ぎないようにして、出来るだけ刺激の少ないものを数時間前に食べ、その後は水以外口にしないように心がけている。試飲中は、バケットと水で口をクリアにしながら、刺激の少なそうなものから順にテイスティングしていく。

 テイスティングしたウイスキーのランクの付け方は、競馬の予想紙の要領で、本命・対抗・単穴・穴・不用の順に5段階評価をする。ちょこっと競馬と違うのは、各評価が1本に限らないという点ぐらい。
本命が多すぎると予算との関係で、再度絞込みをすることもある。逆に、単穴ぐらいしかない場合は、買うべきか買わざるべきかで迷うこともある。

 実は、初めてテイスティングノートを公開しようと思ったが、その前にテイスティングに関して感じている部分を先にアップした。(テイスティングノートの公開は明後日

#テイスティング

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