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厩が火事

 店でお客様と釣りの話で盛り上がっていたら、恐怖の着信音が鳴りだした。嫁からである。

 「家の隣で火事!」とのこと。

 これは一大事かと思いきや、のんびり電話をしてくるぐらいだから大丈夫だろうと思いつつも
 「ひょっとして『厩が火事』とはちゃうやろな。」
 「???。お客様がいらっしゃるみたいやから切るね。」

 閉店後、家の周りを散歩したら、10軒ぐらい離れたマンションのゴミ置き場の前が濡れており、制服の警察官が何人か燃えかすをあさっていた。どうも放火があったようだ。怖い怖い。
 職質でもされたらたまったものではないと、そそくさと家に逃げ込む。何も悪いことはしていないのだが、本物の手錠を掛けられた昔の記憶が・・・(笑)
 (この話は後日思い出したらアップします。この時も何も悪いことはしていないのだが・・・)

 
 嫁に「『厩が火事』って分かったよね?」と確認したところ、
 「どうせ、しょうむないジョークやろ」で片付けられてしまった。

 あるお殿様が、よそのお殿様のところへ出掛けていたら小兵が飛び込んできて、
 「お殿様。一大事でございます。」
 「何事じゃ!」
 「厩が火事にございます。」
 「厩か。いたしかたあるまい。で、火は消し止めたのか?」
 「いえ。その火が離れに燃え移りましてございます。」
 「離れか。いたしかたあるまい。で、火は消し止めたのか?」
 「その火が母屋に燃え移りましてございます。」

 という話で「肝心なことから報告すべし」の例えによく使われる話なのだ。

 お客様の前でアタフタもできず、これなら通じると思ったのだが・・・

 日本語って通じにくい言葉なのですね。

 

#徒然なるままに

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