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Loch Ewe ロッホユー

Loch Ewe ロッホユー蒸留所 場所

~モルト界の異端児!北の果ての奇妙な蒸留所~

ロッホユーとはスコットランド西海岸の入り江の名前。
地図で見るとテインの町からちょうど真西にいった半島の突き当りら辺。
ここの地にあるドラムチョークロッジホテルの裏にあるガレージがロッホユー蒸留所である。場所(この小さな小屋)
2004年に創業、経営者はホテルのオーナーのクロットワーシー夫妻。
この蒸留所(果たして蒸留所と呼んでいいのか)何から何まで、普通ではない。
以下普通ではない点。

①ポットスチルが114リットル
法律で定められている最小のサイズ(エドラダワーの1800リットル以下のサイズは密造防止のため法律で禁止されている)
をさらに下回るが、地域経済の振興に関わるなら・・・と特例で許可が下りたらしい。さすがスコットランドのお役人、ウイスキーには理解があるのか。

②発酵槽がゴミ用ポリバケツ
そのまんまです。下に車がついているので移動もラクチン。

③酵母がパン用ドライイースト
理論上可能なんでしょうが。
ウイスキーには通常、サッカロミセス・セレビシエに属するディスティラリー酵母もしくはブリュワーズ酵母(ビール酵母)が使われます。

④熟成を一切させない
スコッチウイスキーには3年以上オーク樽で熟成させることが法律で義務づけられていますので、これはウイスキーとは呼ばれません。しかしオーナーは我々はウイスキーではなく、ウシュクベーハつまり密造酒をつくっているんだと胸を張る。
出来あがったニュースピリッツはそのままホテルのバーで客に提供されたり、量り売りされる。

・・・まさに異端中の異端、近年のスコッチの高級ブランド化に対抗するアナーキーなパンク精神はセックスピストルズに通じるものがあります。
是非このまま美味いウイスキーではなく、破れたジーンズや虫食いのセーターのようにトガッたウシュクベーハをつくり続けて欲しいと思います。

ウイスキーエキスパート試験まであと21日

#北ハイランド

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