マレー湾
インヴァネスの北東、北海に向けて開ける湾で、北からドーノホ湾、クロマティ湾、ネス湖という小さな湾や湖がある。
海岸線は800キロメートル以上で、その多くが断崖。
クジラ・イルカ観察の海岸として重要な場所。
ブラックアイル半島にある蒸留所:バルブレア、グレンモーレンジ、ティーニニック、ダルモア、ベンウィヴィス
■ドーノホ湾(ブラック・アイル半島)
近郊蒸留所:バルブレア、グレンモーレンジ
北海に近いほうがテインの町にあるグレンモーレンジ蒸留所、すぐ西隣にあるエダートン村はピート教区と呼ばれるほど厚いピートに覆われここにバルブレア蒸留所がある。
この2つがある半島のことをブラック・アイルという。
1790年に設立されたバルブレア蒸留所はハイランドで3番目に古い蒸留所。(1位はグレンタレットで1775年、2位はグレンギリーで1785年、4位ブレアアソールで1798年)
バルブレアは平地の集落の意味。
高台にある蒸留所の建物から美しいドーノホ湾を見下ろすことができる。
ピート教区らしく、オルトドレッグ川から引いている仕込み水はピート色が濃い軟水でこれがバルブレアの個性を生んでいる。
現在のオーナーはインバーハウス社。
グレンモーレンジのあるテインの町はレモネードやビール造りやシルバー職人で有名な古くからある巡礼地。かつてテインでグレンモーレンジを興した男たちは、「テインの十六人の男」と称される。
グレンモーレンジの特長はおもに以下の4つに集約される。
①ジンの中古のスチルを使用、これはスコットランド最長(5.13メートル)のポットスチル。
②デザイナーカスクと呼ばれるミズーリ州ホワイトオークのバーボン樽を使う。
③ボトラーズが存在しない。
④仕込水は硬度190の硬水である(ターロギーの泉、ケルピーの泉)
現在のボトルのラベルにはピクト石(カドボールストーン)が描かれている。
ウッド・フィニッシュの先駆者として名を馳せ、様々な樽で「ダブル・マチュアード(二段熟成)した製品が発売されている。
■クロマティ湾(ブラック・アイル半島)
近郊蒸留所:ティーニニック、ダルモア、ベンウィヴィス
ベンウィヴィスはインバードードン・グレーンウイスキー敷地内に建設されている蒸留所。
操業期間はわずか12年、全てブレンド用としてつくられた為、今日では超レアなモルト。
たまに見かけても、恐ろしい値段がする、まさに「恐ろしい山」・・・
アルネス川を挟んで東にダルモア、西にティーニニック蒸留所が存在する。
・ダルモア蒸留所(UBグループ、ホワイトマッカイ社)
場所
WWⅠ時に機雷工場として使われていた。(関連:グレンアルビン)
2代目オーナーのマッケンジー兄弟がホワイトマッカイ社に原酒を提供していた。
初留釜はランタンヘッド型にT字シェイプ、再留釜はネックの周りにウォータージャケット。
ラベルには雄鹿が描かれている。
・ティーニニック蒸留所(ディアジオ社) 場所
「荒野の中の家」の意味。
酒税法改正(1823年)に尽力した土地の名士、キャプテン・ヒューゴ・マンローが建設した。
麦芽をハンマーミルで粉砕する唯一の蒸留所。
かつてはディアジオ社最大の生産量をほこっていた。
ブラックアイル半島の付け根、クロマティ湾の入り江にグレンオード蒸留所
・グレンオード蒸留所(エドリントングループ) 場所
ストレート型のスチルが初3再3、生産量はディアジオ系列で最大級。(関連:ディアジオの生産量の大きな蒸留所・・・オスロスク、カリラ、クライヌリッシュ、ダフタウン、グレンオード、ローズアイル最大、ティーニニックかつて最大)
ディアジオの実験的蒸留所の性格を持つ。
①石炭直火焚きに変わりスチーム加熱が初めて採用された。
②ドラム式モルティングを初めて採用した。
現在タリスカーをはじめとするディアジオ社の蒸留所に麦芽を供給している。
#北ハイランド