久し振りに飲んだら文句なしの美味しさでした。
MORTLACH 1957-2007 50yo GM PRIVATE COLLECTION #585, 586 43.5%
one of 514 bottles
香りは素晴らしいオールドのシェリー感、ブラックベリーのジャム、黒糖風味のチョコレート、湿り気を伴う腐葉土、古い樽のウッディネスとオールドピート。
飲むと濃縮感と粘性があり度数落ちらしい優しいテクスチャー。やはり濃縮感のある黒系ベリーのフルーティがしっかり、カラメル、強いウッディネスに伴うタンニンもしっかり感じるが細かくほどけている、深みがあり陶酔感のある余韻。
【Very Good/Excellent】
GMのプライベートコレクションとして2007年にリリースされたモートラック1957、50年熟成。
度数は43%台ですが、恐らくはカスクストレングスの度数落ちでしょうね。2樽のヴァッティングです。黒に近い濃い色合いだけ見ても、ファーストフィルのシェリーカスクであることに疑いの余地はありません。
ヴィンテージ的にも熟成年数的にも、今だったら豪華な装丁で飲み物の値段と思えない値段でしか出てこないスペックでしょう。
これがボトリングされた2007年にはまだ飲める値段でリリースされており、私も何度か飲んだことのあるボトルでした。
リリース当時からこの時代のGMらしい甘やかで高貴なシェリー感はたっぷりなんですが、やや過熟で樽由来の渋味がキツめのイメージでした。しかし今飲むとタンニンはしっかりしていますがこなれており、あまり後味にも強く残りません。
素晴らしいシェリー感で、ボルドーの赤ワインのように瓶詰後にタンニンが柔らかくなったということなのか、私の嗜好が変わったのか、どちらかでしょうね。
今も渋すぎるものはあまり得意でないので、どちらかというと前者の要素が強いように推測します。
まぁそもそも、もうこの時代のシェリーカスクに細かいことで文句をつけられる状況にありませんね。
素晴らしい陶酔感のあるシェリー感に、この夜はすっかり満足させられたのでした。
なお、昔は度数は下がるわ苦くなるわ高くなるわでもっと早くボトリングすべきだったと思った香味でしたが、50年代蒸留で80-90年代ボトリングのシェリーカスクは今飲むとネガティブな瓶内変化が結構進んでいるものも多く、そういう意味では今飲み頃を維持しているこのボトルは2007年にボトリングされた意味がちゃんとあるとも思えますね。
#モートラック (MORTLACH)