あえてボトリング後時間をおいてリリースしたカリラ。意図がわかります。
カリラ CAOL ILA 1996-2007 10yo KINGSBURY HELSMDALE CHRISTMAS EDITION 58.7%
one of 302 bottles, Hogshead
・香り:
フレッシュシトラス、若葉、強いがこなれた感じもある麦感、焼きたてのパン、バニラ、潮と磯っぽさ、少し塩素とチーズ、強いスモークのあるピート感。
・味わい:
意外なほどさらっとした口当たりからじわじわとヒリヒリする胡椒のスパイシーさがでてくる、フレッシュシトラス、瑞々しい若葉、バニラ、強くフレッシュな麦感、シロップの上品な甘味、柑橘の酸味、燻製した魚のようなスモーキーさと舌に染み込む麦の旨味あり、クリーンでキレがある。
・余韻:
シロップの甘味と麦の旨味、強いピートが残る。
・加水:
テクスチャーが変わって粉っぽい凝縮感が出てくる。
・総評:
瓶内変化を経たカスクストレングスの短熟カリラ。
明らかにスペックの割にこなれた風合いがあり、熟成年数なりの部分とそうでない部分が同居しており興味深い香味だった。
加水後のポジティブな変化にも好感を持った。
【Good/Very Good】
ヘルムズデールさんがキングスバリーから2007年にボトリングした後、瓶内変化を狙って保存してあったカリラ1996です。
2014年の12月にクリスマスエディションとしてリリースされましたから、瓶内でおよそ7年経過していることになります。
恐らくボトリング当初は口当たりから相当スパイシーだったと思われますが、瓶内で7年が経過して丸みを帯び初めています。
特に、口当たりの刺激がないこと、舌に染み込むようなテクスチャーがあったのは瓶内変化の賜物と思われます。
プレーンな樽感でクリーンな香味で、鋭いピート感があってキレもあるカリラの酒質が素直に出ている樽だと思いますが、それだけに瓶内変化がわかりやすいと思います。
ちなみに上記のテイスティングコメントは開栓したてのもので、この時点ですでにこなれており良かったですが、開栓後時間がたつとさらに同じ方向性でこなれていったのも面白かったです。
さすがヘルムズデール村澤さん、ナイスリリースでした。
#カリラ (CAOL ILA)