またひとつフープの傑作ボトルが増えました。
グレンファークラス GLENFARCLAS 1977-2015 38yo OB for THE WHIKSY HOOP #8203 47.1%
one of 210 bottles, plain hogshead
香りは強いオレンジクリーム、淡く桃や洋梨、ナッツ、バニラ、しっとりとこなれた麦感、蜂蜜、リッチ、時間とともにエステリーなフルーツが強まる。
飲むと滑らかな口当たりから複雑に広がる、はっきりとオレンジクリーム、洋梨、ナッツ、バニラ、蜂蜜のコクのある甘味、心地良いウッディネスと渋味、優しい麦の旨味もありボディを感じる、最後淡いピート、リッチで陶酔感もある素晴らしい飲み心地。
【Very Good】
ウイスキーフープから今年6月に頒布になったグレンファークラス1977、38年熟成です。
前回のクリスマスモルト1990に続き2回目となるファークラスのオフィシャルボリングで、今回はシェリーカスクではなくプレーンカスクです。
プレーンカスクの70年代ファークラスというと信濃屋さんから数回ボトリングされた、ベンリアックにも似た突き抜けたフルーティモルトのイメージが強く、今回の樽もその系統を予想していたのですが、完全に別のタイプでした。
香りにはもちろん長熟スペイサイドらしい陶酔感のあるフルーツ感はあり、時間と共に強まってはいくのですがそれほど突出したものではなく多彩な香りの一部を担っています。それよりもほどよくこなれて残った麦感やナッツやクリームといった要素が印象的でした。
非常にリッチで複雑ですがあくまでナチュラルでケミカルなニュアンスは全く感じませんでした。
飲むと長熟で度数も少し落ちていることもあり非常に滑らかな口当たりです。そこから複雑に広がっていくのですが、やはり香り同様にフルーツだけでなくオレンジクリームやナッツのニュアンスが印象的で、ウッディネスもほどよく味を深める程度に効いており陶酔感があってリッチでした。
プレーンカスクのためか38年という長熟らしからぬ心地良い麦感とその旨味が残っており、こなれているものの過熟感や枯れ感はなくボディもしっかりあったのが非常に好印象でした。
ノンシェリーのファークラスですが、薄化粧で非常に美味しい王道長熟スペイサイドモルトという感じで、傑作といえる美味しさだと思います。
自分の中ではこれまでのフープのボトリングでベストかもしれません。
今回のスコットランド渡航でファークラスの樽選びをしましたが、あれだけの数をテイスティングして厳選したものだけあって、突き抜けたクオリティだと思います。
#グレンファークラス (GLENFARCLAS)