今回のグリーンケイデンフェアでは異色の存在でした。
ロングモーン LONGMORN 1984-1996 12yo CADENHEAD Authentic Collection 58.1%
香りは濃いシェリー、重厚で複雑、プルーン、ビターチョコレート、コーヒー、カラメルソース、少し味醂やバルサミコ、焦げ感もある強い麦感。
飲むと芳醇に広がる、パワフル、ベリージャムやプルーンなどを感じる濃厚な甘味、味醂、少したまり醤油、麦の旨味あり、後半から余韻にかけてパイナップルなどのトロピカル感がうっすら、深みとコクあり、ハーブリキュールも感じるほどよい渋味、リッチでミーティ、長い余韻。
【Good/Very Good,Interesting】
ケイデンヘッドのオーセンティックコレクションからロングモーン1984、14年熟成です。
プレーンなタイプが多い印象のグリーンケイデンですが、今回のボトルはかなり色の黒いシェリーカスク熟成です。
香りはのっけから濃いシェリーカスクの影響が出ており、上記のような濃縮したフルーツ感やチョコレートやコーヒー、そして十分に残った麦感も好印象でした。
重厚で複雑、そして温かい香りでした。
飲んでも香りから予想した系統の濃厚シェリー味でした。醤油っぽさやサルファリー要素のニュアンスもうっすらと感じられますが、これは結構サルファリーだったものが恐らくボトリング後20年程度かけて抜けてきたんだと思います。現在はまったく嫌味と感じずに厚みを出しているように感じました。
また、奥のほうから往年のロングモーンを感じされるようなフルーツ感も見え隠れしたのも興味深かったです。
濃厚なジャム系の甘味と渋みのバランスも良く、熟成が長くないゆえ残った麦の旨味もあり、フルボディで飲み応えのある味わいでした。
今回のボトル、決して高貴だったり陶酔感を覚えるようなシェリー感ではないのですが、上記のように重厚で複雑な独特のニュアンスが強く感じられ、肉感的で個性的なファッションの女性を連想させるような面白いロングモーンでした。
この辺の80年代シェリーはほぼサルファリーと思っていた時期もあったのですが、最近はそこまでえげつないものには出会わなくなりました。
樽選びの変化ということもあるのでしょうが、今回のもののように瓶内変化で抜けてきたと思われるものも結構あるのではないかと思います。
#ロングモーン (LONGMORN)