オールドアイラの魅力に溢れたボトルでした。
カリラ CAOL ILA 1978-1989 SAMAROLI 55%
香りはこなれたオレンジ、塩素とタール、クールな金属感、鋭いオールドピートがしっかり、燻した藁、土っぽさ、毛皮、枯れた感じも伴う滋味深い麦感と蜂蜜、飲むとじわじわと舌にしみ込むような強い麦の旨味、しっかりとタールを感じる強いピート、塩素、オレンジ、ほど良い蜂蜜の甘味、クールでくっきりとした味わいの輪郭、ボディもあり余韻も長い。
【Very Good】
サマローリが1989年にボトリングしたカリラ1978のカスクストレングスで,およそ11年の熟成です。
香りには全体を包み込む心地良いオールド感があり,塩素や金属などアードベッグと共通するようなクールなニュアンスが感じられました。
そして土っぽさや毛皮のような獣っぽいニュアンス,そして短熟オールドらしい滋味深い麦感も印象的でした。
飲んでみると舌にしみ込んでくるような強い麦の旨みがあり,香り同様に冷たいニュアンスを伴う塩素やピートもしっかりありました。
味わいの輪郭がくっきりしておりキレも良いのですが,長い余韻も楽しめました。
さすがサマローリの80年代詰めのカスクストレングスだけあって,ボディをしっかり残した魅力的な短熟ボトルでした。
ボトリング後の経年変化が少ない70年代のカリラは結構最近までしばしば飲む機会がありましたが,このボトルのような枯れたピートや獣っぽさや土っぽさ,そして舌にしみ込んでくるようなテクスチャーを感じたものはなく,恐らくはボトリング後の経年変化で出てきた部分が相当大きいのだと思います。
今飲んでも非常に良いオールド感で美味しいのですが,ボディが残っているのでまだまだ経年変化を楽しむことができるボトルのような気もします。飲み頃の判断が難しいボトルだと思います。
#カリラ (CAOL ILA) #考えたこと