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ARANCIA XO

自宅のTVの隣に一本の空きボトルが飾ってあります.熊本市営だった熊本市河内みかんブランデー蒸溜所のミカンを原料としたブランデーのアランシアの15年ものの空きボトルです以前によく飲みに伺っていた北新地のとあるバーでこれを好んで飲んでいたのですが,その最後の一本が空瓶になった時に,マスターから頂いたものです.

ずっとずっと以前のこと.そのバーで飲んでいた際にこのボトルを見つけたのです.陶器のボトルが後方の棚に置いてあり,ふと何だろうと思ってぼーっと眺めていた時,Mikan Brandy という文字が目に飛び込んできたのです.「えっ蜜柑?」と急に興味が湧いてきて,オーダーして飲んだのです.飲ませていただくと,香りはブランデーとしての華やかな香りが立ち,後味はしっかりとミカンが主張するという味わいです.香りと飲み口と後味がそれぞれ個性的な味の酒で,一口飲んだその日から好みの酒になりました.それ以降,このバーで飲んだ際の最後の一杯はこの酒を頂く事が続いたのです.

この酒は終売になった(そのとき既に終売だったのかも?)のですが,それ以降もマスターはインターネットのオークション等から仕入れて頂けたのですが,それらの瓶も空いてしまい,もう飲めないのかなぁと思っていた矢先,マスターが蒸溜所に入手できないものかと相談したところ,特別に3本だけ余っていた瓶に詰めて出荷して頂ける事になったのでした.それ以降は,もはや入手見込みがないということもあり,残念に思いながらもこの味を楽しんだものでした.

後でマスターに伺った話では,蒸溜所に特別に数本瓶詰めしてもらった際には,我々以外にもう一組の方がこの酒を愛飲されていたらしいのです.ところが,その方は後に転勤で大阪を離れたらしく,この最後の一本は我々だけで空けたとのこと.そういうこともあって最後の空瓶を譲ってくれたんだそうです.

お気に入りの酒が終売になるというのを経験した最初の一本がコレでした.その後も熟成年数の若い商品 Arancia senna や みかんの燦 などの商品は継続して出ていて,たまに酒屋で買ってきて飲んでみたこともありましたが,熟成が若いこともあるのかブランデーとしての十分な熟成感があまりなくって,どちらかというとリキュールのような味わいで,好みだったXOとは比べものにはならないモノでした.

このお盆休みに部屋の掃除をした際に,このボトルも拭き掃除をしたのですが,ふと以前のことを思い出して懐かしんでました.

余談ながら,熊本市みかんブランデー蒸溜所はその後2005年に閉鎖されたようです.

#購入・所有ボトル

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