『CAOL ILA』を初めて読んで“カリラ”と発音出来る日本人は皆無ではないでしょうか。。私もこのモルトと出会った頃から暫くは“カオル イーラ”と呼んでいました。
意味は「アイラ海峡」。
「アイラ島」は『ISLAY』と書いて“アイラ”と発音し、「アイラの」は『ILA』と書いて“イーラ”と発音。
因みにアイラ島の地方新聞『ILEACH』は「イーラハ」と発音し、意味は“アイラの人”。
ゲール語の発音は本当にややこしいです。
いきなり本題から外れましたが、『カリラ』はアイラモルトの中でも際立つ個性を持つモルトで、粒胡椒を噛んだ時の様なピリッとした刺激が舌の上に残ります。
ボトラーズ物は豊富でよく目にするのですが、オフィシャルと言うと2002年(?)に12年物が発売されるまでは、1989年発売の花と動物シリーズの15年物位しか無かったと思われます。
今回はそのオフィシャルのご紹介です。
12年物の味わいはまさに刺激的。一瞬甘味を感じた後は、アイラ特有のスモーキーさが口内を支配し木炭の様な余韻が続きます。
花と動物シリーズの15年物は、12年と比較すると最初は穏やかで温かい味わいですが、一気にキャンプ ファイヤーに変わります。幾分まろやかで熟成感は有りますが、刺激的には拍車が掛かっている様な感じです。
フレッシュさがお好みでしたら12年。熟成感を求められるなら15年でしょうか。
蒸留所はポートアスケイグの近くに在り、ジュラ島を臨む景色の良い所です。運が良ければ花と動物シリーズのラベルに描かれた、アイラ海峡に生息するアザラシに出会えるそうです。
アイラ島にはもう一つポートエレンと言う港が存在し、私が島に渡った時は到着がポートエレンでした。 翌日の出発はポートアスケイグだったのですが、チケットに小さく「PORT ASKAIG」書いてあるだけで、購入した時に係員が何も言ってくれなかったものですから、そんな事だとは夢にも思わず… ポートエレンの近くに在るパブで時間ギリギリまで悠然とビールやモルトを飲み、気分良く港へ向かうと出発時間が迫っているのに人影も無く、不安に駆られて戻ったパブのママさんに教えられて、ようやくその事実に気付き、島の反対側に在るポートアスケイグまで、必死でアクセル全開の酔っ払い運転をした事を、昨日の事の様に覚えています。
12年 43% 900円/30ml
花と動物シリーズ 15年 43%
1200円/30ml