【速】ボウモア Bowmore 16yo 1993/2009
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【ファースト】:やや濃い琥珀 煙感(++) 燻製感(++) 黄色い桃の缶詰 シロップ状の透明な甘さ 乳酸 お茶~紅茶 ほのかなレザー感(動物的脂肪酸) アップルティー アセロラ パイナップル グレープフルーツの皮 上面発香素晴らしい
【ミドル】:ボディはスムース 粘性があり、舌上にビワ・マンゴー・煙・燻製を置いていく 焦がした麦 甘みはシロップ状
【フィニッシュ】:返り、鼻抜け共にパワフル(++) マンゴー アセロラ パイナップル グレープフルーツ 煙と燻製 濃厚な紅茶(渋み) 口腔下部刺激
参考:(投稿時間順)
関東ウスケバOFFお疲れ様でした (射命丸氏)
CHボウモア1993@ウスケバオフ (くりりん氏)
(当ブログ過去記事)
関東ウスケバオフ第一回を記念して、新たに開栓したボウモア1993 キャンベルタウンロッホ10周年記念ボトル。
リリース当時からあまりの衝撃に「奇跡のボウモア」と讃えた1本。
一部撹拌原因なのかパヒュが出るというボトルが存在したようですが、幸い私の手持ちのボトルはこれまで3本開けていずれも問題ありません。
今回開栓したものも、幸い素晴らしい状態で提供することが出来ました。
特に射命丸氏は「あまりアイラを好まない」嗜好でおられたのですが、今回本ボトルを絶賛。
もちろん既にウスケバでも周知の通り相当の飲み手でいらっしゃって、それでもあまり好まなかったアイラモルトであったのも関わらず。。。
2次会を終えて帰り際にも、「あのボウモアすごくよかったです」と感動そのままに伝えてくれました。
まさに奇跡のボウモア。
以下少々ややこしい考察と提言を。
これがBAR飲みであったなら、アイラを好まない彼の嗜好を知っていたら、バーテンダーさんは勧めたでしょうか? 何の情報も知らずに彼は本ボトルに挑むことがあったでしょうか?
おそらく彼は「提供者が他の参加者にも感動を共有してもらいたいウイスキー」ばかりが並んでいる環境だからこそ、飲んでくれたのだと思います。
私が直接手にとって勧めたわけではありません。知らない間に彼が自主的にそうしてくれていたのです。
むしろアイラモルト全般を通して本ボトルは、果実感も充実していますがピート感はハードな部類だと思います。
もちろんトライしてダメな場合も多々あるはずです。でもこのように素晴らしい結果になることだってある。
むしろ新しい世界が開けたときの感動はひとしおです。
カギは「同じウイスキー好きの人たちが熱心に美味いと言っている」ことであったはず。
自分もそれを共感できればいいなという自然な気持ち、向上心、好奇心がそうさせたのだと思います。
嗜好の範囲を狭めることは、飲み手の楽しみを奪うことだってありえます。
狭めた範囲からは妥協しか出てこないかもしれません。それでは楽しさも半減してしまいます。
プロの方ならば尚更あらゆる可能性を排除せず、(まずは一人のドリンカーとして出来れば商売抜きに)自ら良いと思ったお酒についての感動を伝え続けていただきたいと思います。
そして自らが素直に感動できる酒を追い求める努力を忘れない、妥協しない。これがお客さんから信頼される姿勢でありホスピタリティだと思います。
私らでいえばより有効で安全な薬を勉強するかしないかというのと同じです。(後者は完璧にアウトでしょう。)
理解したつもりになってコントロールしようなどとは考えず、お客さんに新しい喜びを伝えるためにも自分自身の見識をひたすら磨き続ける。
誰からも何ら非難されることはないはずです。
もしウイスキーをもっと楽しんでもらいたいと思うのなら、まずは提供するものすべてが「自分も飲みたい、そして他の人にも飲んでもらいたい」ものであるべきです。
それがフェアに、信頼できる状態で楽しむことができる環境であって、それぞれの良さを自らの感動を持って伝えてくれる人間がいる。
それだけでいいのだとこのボウモアが教えてくれました。
#ボウモア