【問】開栓後のボトルは時間がたつほど美味しくなるか? 続編
かなり意見が分かれる部分なんですね。。。さまざまなご意見・ご体験のメッセージを頂いているのですが、私個人としては
【開栓後のボトルに時間がたつと良い場合】
① ボトリング当初ゴム臭、メルカプタン臭のようなマイナスな臭いがあり、開栓後徐々にそれが取れていく場合 → ボトリングの時点で問題があるものを気にせず飲めるようにしたい場合 ② とことん甘みを追求したい場合 ③ アルコールの揮発がピークの状態で飲みたい場合 |
特に②③については私も誤解していた過去があるのですが、開栓後時間が経って飲むのが「当たり前」の状況下だと、その飲用体験によって記憶が積み重なってしまいます。
ボトルの回転が良いBARに通うようになると、アルコール感や甘みだけではなくもっと他の香味成分を加えたより深い素晴らしさを知ることができるようになるのです。
アルコール感が最初から勢いがあるのは驚きではあるのですが、今ではグラスに注いだ後、時間と共に開いてくると変化がわかった分だけむしろ感動が大きくなりました。
確かに人間「甘味」は報酬系を刺激する本能的に好きな味覚であって、甘いという漢字自体が「口の中にモノを入れた状態」を意味するように、古代においては甘い=おいしいだったといいます。
しかしながら現在ウイスキーのおいしさ=甘みだけではないと思うのです。
どうしてもわかりやすいために甘みの印象が勝ってしまいがちなのかもしれませんが、より広く甘さも変化も揮発度合いも含めた味覚・香り・アルコール感のバランスそれら全体を大事にしたいと考えています。
最近は特に開栓後あまり時間がたたない状態で1杯にしっかり時間をかけて取り組めるように意識しているところです。
サントリーさんもこの件についてはお答えになっていて
ウイスキーもワインと同じように瓶の中で熟成するのですか? →ワインとは違い、瓶詰め後は瓶内で熟成しませんので、それ以上美味しくなることはありません。 |
開栓したウイスキーはどのくらいで飲めばいいですか? →できるだけお早めにお召し上がりいただくことをおすすめします。 保管方法やお取り扱いの状況によっても異なりますので具体的な期間は一概には言えません。 |
もちろん嗜好品なので、各々が好きに楽しんでいただければいいのですが、経験上、開栓後年単位で置いてあるものはある程度そのあたりを了解の上で飲まれたほうが良いと思います。
#ウイスキーの化学