【豆】スプリングバンクの2回半蒸留とは?
よく2回半とはいいますがほぼ3回蒸留に近い方法です。
① 1回目の蒸留(ウォッシュスチル)で得られた A液(ローワイン)
② 2回目の蒸留(ファーストローワインスチル)で得られた B液(スプリングバンクではフェイントと呼んでいるようです:WL講義によると)
③ 3回目の蒸留(セカンドローワインスチル)において使用する材料は、全量を100%とすると、そのうち80%がB液、20%がA液。出来たC液のことをニューポットと呼びます。
つまり、出来たC液のうち8割は3回蒸留、2割は2回蒸留されたものということですね。比率でいけば(3×0.8)+(2×0.2)=2.8回蒸留といえます。
3回蒸留といえば、ローランドなどといいますが、そもそもスコッチウイスキーの起源でもあるアイリッシュでは3回蒸留が基本です。原材料の雑味を除くためといわれています。
オーヘントッシャンやヘーゼルバーンに加え、ベンリアックやグレンキースなど、他の蒸留所でも3回蒸留の試みが行われています。
何度か書かせていただいているのですが、アルコール収量を増すために改良された現代の大麦においては、2回以上の蒸留を行うことによってボディの輪郭が明確になり、透明感が増し、フレッシュオーク、バーボン樽での熟成にとても相性がいいのではないかと思われます。もちろんシェリーにおいても、明確な輪郭は高い評価につながっていると思います。
スプリングバンクのバーボン樽がなぜ他の蒸留所のバーボン樽に比較して圧倒的に評判がいいのか。ゼニスのローズバンクがなぜあんなに優れているのか。
エージェンシーのコールバーンを飲んで、モンクリーフのクレイゲラヒを飲んで、突き抜けたウイスキーには何が必要か。。。最近こんなことを思っていました。
#スプリングバンク