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アルコールとでんぷん、糖質、酵母、発酵




最近たくさんの知り合いが、当サイトを見てくれていて各方面からいろいろな指摘を受けています。中でも「あなたは化学者の端くれであって、歴史家じゃないだろう」と。ごもっとも。

では多少化学的なことを含んだ記事を書いてみようじゃないかと思いついたわけです。

 

うーーーん いつもよりもさらに薀蓄にまみれた話になりますのでどうかな。。。。

 

シングルモルトウイスキーの魅力というのは時代ごと、ボトルごとの個性がさまざまだから飽きないし、毎回出会うのが楽しみ。というのがありますよね。

つまりは良くも悪くもムラがあるわけです。でもそこが面白いと。

 

ではなんでムラがあるのかと。やはりそれはアルコールの発酵生成と蒸留、そして熟成手法にあり、自然の神秘とも言える、人智によってはなかなか完全なコントロールは不可能である領域だからだと思います。

 

アルコールというのは自然界に存在するさまざまな「でんぷん質」または「糖質」を材料に「酵母」が作用することによって、つまりは「発酵(英名:イースト)」によって出来上がります。

 

・・・・・この簡単そうな文章。まずはこの内容を理解するだけで大変です。ほとんど引用ですが、参考のため載せておきます。読み終わるとなんとなくわかった気になります。

 

それで充分ですし、定量的に分析するのは、原材料も酵母もほぼ成分がランダムである以上、あまり意味のないことなのでしょう。

 

つまりは「アルコール」というもの自体が、酵母が生育する過程において、呼吸代わりに産生するものなのです。

 

【でんぷん】

デンプン(澱粉)あるいはスターチ(英語: starch)とは、分子式(C6H10O5)n の炭水化物(多糖類)で、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子である。構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す。種子や球根などに多く含まれている。
高等植物の細胞において認められるデンプンの結晶(デンプン粒)やそれを取り出して集めたものも、一般にデンプンと呼ばれる。デンプン粒の形状や性質(特に糊化特性)は起源となった植物の種類によりかなり異なる。トウモロコシから取り出されたものを特にコーンスターチと呼ぶ。

分子構造

デンプンはその構造によってアミロースとアミロペクチンに分けられる。アミロースは直鎖状の分子で、分子量が比較的小さい。アミロペクチンは枝分かれの多い分子で、分子量が比較的大きい。アミロースとアミロペクチンの性質は異なるが、デンプンの中には両者が共存している。デンプンの直鎖部分は、グルコースがα1-4結合で連なったもので、分岐は直鎖の途中からグルコースのα1-6結合による。アミロースはほとんど分岐を持たないが、アミロペクチンは、平均でグルコース残基約25個に1個の割合でα1-6結合による分枝構造をもつ(直鎖部分の長さは18~24残基、分岐間は5~8残基の間隔がある)。また、アミロースの中にはα1-6結合を持つものも少量あり、中間体と呼ばれている。なお、動物における貯蔵多糖として知られるグリコーゲンはアミロペクチンよりもはるかに分岐が多く、3残基に一回の分岐(直鎖部分の長さは12~18残基、分岐の先がさらに分岐し、網目構造をとる)となり、アミロースやアミロペクチンとは区別される。トウモロコシの種子などでもこのグリコーゲンの顆粒が存在する。
α-グルコース分子が直鎖状に重合している部分は、水素結合によりα-グルコース6個で約1巻きのラセン構造となっている。また、ラセン構造同士も相互に水素結合を介して平行に並び、結晶構造をとる。分子は二重螺旋状態での結晶と、一重螺旋状態での結晶を作りうる。まず二重螺旋状態の結晶には、お互いのグルコース残基上の水酸基同士で直接水素結合を形成するタイプ(A型。コーンスターチなどの穀類由来のものがこの形)、間に水分子一層をはさむタイプ(B型と呼ぶ。馬鈴薯などの根茎・球根由来のものがこの型)と、両者の混合したタイプ(C型。根由来のもの)がある。また一重螺旋状態の結晶はV型と呼ばれ、天然ではデンプン顆粒に含まれる油脂成分がアミロースの一重螺旋のなかに包接された、包接錯体として存在している。

物理的性質

アミロース・アミロペクチンともに、白色の粒粉状物質で、無味・無臭。
アミロースは熱水に溶けるが、アミロペクチンは溶けない。
天然の結晶状態にあるデンプンをβデンプンと呼び、デンプン中の糖鎖間の水素結合が破壊され糖鎖が自由になった状態のデンプンをαデンプンと呼ぶ。(日本国内の呼び方で、国際的用語ではない。)

【糖質】

主に植物の光合成でつくられる。

炭水化物(たんすいかぶつ、英:carbohydrates、独:kohlenhydrate)または糖質(とうしつ、英:saccharides)は、単糖を構成成分とする有機化合物の総称であり、タンパク質、脂質、核酸に並ぶ重要な生体物質である。炭水化物の多くは分子式が CmH2nOn で表され、Cm(H2O)n と表すと炭素に水が結合した物質のように見えるため炭水化物と呼ばれる(かつては含水炭素とも呼ばれた)。 定義としては、炭水化物は糖およびその誘導体の総称であり、分子式 CmH2nOn で表されない炭水化物もある。そのような例としてデオキシリボース C5H10O4 が挙げられる。また、分子式が CmH2nOn ではあっても、ホルムアルデヒド (CH2O, m = n = 1) は炭水化物とは呼ばれない。今日では総称として糖質ないしは糖とよばれる場面の方が多くなっている。

化学的分類

より厳密には、炭水化物とは以下を包括する一般名称である。
糖 – アルデヒド基またはケトン基を持つ多価アルコール(カルボニル基を持つ多価アルコール)
単糖
少糖 – 単糖が2個〜20個程度結合したもの。オリゴ糖ともいう。単糖の結合した数により、特に二糖、三糖などという場合もある。
多糖 – 単糖がオリゴ糖以上に結合したもの。
糖の誘導体

炭水化物の生理作用

炭水化物は生物にとって大きく分けて3種類の働きを持つ。
エネルギー源
形態構築の材料
分子的な「標識」
単糖であるグルコースは細胞の主なエネルギー源である。また、とりわけ人間にとっては、思考の際の脳のエネルギー源としても非常に重要である。グルコースは植物ではデンプン、動物ではグリコーゲンとして、高分子として体内に蓄えられる。
植物の体はセルロースという多糖によって構成されている。セルロースはデンプンと同じグルコースの多量体であるが、結合様式が異なるため、化学的に極めて強靭な構造を持つ。セルロースは細胞壁の主成分として活用されている。
また、細胞の表層には、糖鎖と呼ばれる糖の多量体が結合している。これはタンパク質に対する受容体ほど強くは無いものの、生体内である種の「標識」としてはたらいている。

【酵母】

酵母(こうぼ)またはイースト(英語:yeast)は、広義には生活環の一定期間において栄養体が単細胞性を示す真菌類の総称である。より一般的には食品などに用いられて馴染みのある出芽酵母の一種サッカロミケス・ケレウィシエ(Saccharomyces cerevisiae)を指す。酵母は正式な分類群の名ではなく、いわば生活型を示す名称であり、系統的に異なる種を含んでいるため、厳密に使うには注意が必要である。
発酵に用いられるなど工業的に重要であり、遺伝子工学の主要な研究対象の1つでもある。明治時代にビール製法が輸入されたときに、yeast の訳として発酵の源を意味する字が当てられたのが語源であるが、微生物学の発展とともにその意味するところが拡大していった。

歴史

酵母の発見は、アントニ・ファン・レーウェンフックに溯るとされる。彼は手作りの顕微鏡で微生物を最初に発見し、その後も様々な微生物を観察しているが、発酵中のビールを調べてその中に微粒子状のものを見たことを記録している。彼は球形ないし楕円形のもののスケッチを残しており、これが恐らく酵母であろうとされている。その後これがパンなどの発酵の際にも見られることが分かり、これと発酵との関連が論じられ、ルイ・パスツールによって発酵が酵母の生理作用であり、無酸素条件下での呼吸であることが示された。なお、パスツールは酵母菌の純粋培養を最初に行った事でも知られる
生物としての酵母の研究に関しては、19世紀までにはほとんど進歩が無かった。1825年ころより酵母の研究が行われるようになった。シャルル・カニャール・ド・ラ・トゥール、フリードリヒ・トラウゴット・キュツィング、テオドール・シュワンらは発酵している液を薄めて観察したり、観察中の乾燥を防ぐためにカバーガラスを掛け、周囲をパラフィンで封じる、あるいはホールグラスを使うなどの方法を使い、酵母が出芽によって増殖する単細胞生物であることを示した。
1839年にはシュワンが内生胞子を観察した。彼はそれが胞子であり、体外に出て新たな酵母となることには気づいたが、その分類上の意味には気づかなかった。これを明らかにしたのがアントン・ド・バリーで、彼は1839年に、この内生胞子を子嚢菌に属するカビの胞子と比較している。さらにリース(Reess)は1868年以降、多くの種類の酵母について内生胞子を観察し、それが原始的な子嚢菌の子嚢胞子に当たることを認めた。パスツールによる純粋培養の確立もあって、それ以降、酵母菌の研究は格段に進み、特にエミール・クリスティアン・ハンセンは研究法の改善を含め、30年にわたって各種酵母について研究を行い、この分野の開祖とも言われている。また、彼は酵母の系統の問題と分類に生活環を重視した。
利用

サッカロミケス属(Saccharomyces)やスキゾサッカロミケス属(Schizosaccharomyces)は発酵によりアルコールを生じ、食品の加工に古くから利用されており、また生物学の研究材料としても用いられている。特に、出芽酵母と分裂酵母は真核細胞の基本メカニズムの解明に貢献している。一方で、デバリオミケス属(Debaryomyces)など発酵を行わないものもある。自然環境では、果汁や樹液の溜まるところに多産するほか、淡水や海水中にも広く分布することが知られている。
特殊な例では、ミジンコに寄生するメチニコービアは、イリヤ・メチニコフがその観察を通じて食細胞を発見したことで知られている。

【発酵】

発酵(はっこう。狭義には、酵母などの微生物が嫌気条件下でエネルギーを得るために有機化合物を酸化して、アルコール、有機酸、二酸化炭素などを生成する過程のことである。広義には、微生物を利用して、食品を製造すること、有機化合物を工業的に製造することをいう

生物がエネルギーを得るための代謝は、大別して発酵、呼吸、光合成の三種がある。発酵と呼吸(好気呼吸、嫌気呼吸)は、有機物(例外的に硝酸塩や硫酸塩などの無機物)を酸化させ、その時遊離されるエネルギーでATPを合成する過程である。この酸化反応の副産物の[H](もしくは電子)の排出形態により3つの代謝に分けられる。すなわち、[H](もしくは電子)を有機物に渡せば発酵、酸素に渡せば好気呼吸、無機物に渡せば嫌気呼吸である。

嫌気呼吸(けんきこきゅう)とは、最終電子受容体として酸素を用いない異化代謝系の総称である。アルコール発酵など発酵過程の代謝はすべて嫌気呼吸といってよい。ただし、好気呼吸に比べると極めて効率が悪く、生産するATPの量は格段に差がある
また、狭義には解糖系のみを含む場合もあるが、微生物には多様な呼吸が存在するため微生物学では上記の広範な定義が選択される場合が多い。別名無気呼吸、嫌気的呼吸、無酸素呼吸など。

 

嫌気呼吸の種類

嫌気呼吸には以下の種類がある。
嫌気的解糖
アルコール発酵
乳酸発酵
酢酸発酵
硝酸塩呼吸
硫酸塩呼吸
炭酸塩呼吸
フマル酸塩呼吸→呼吸鎖複合体
TMAO呼吸
DMSO呼吸
etc.
解糖系を伴う、嫌気呼吸は特に嫌気的解糖(けんきてきかいとう)と言われており、これらの反応は好気呼吸を行う生物群が貧酸素状態となるとこの経路をとる場合が多い。ヒトも筋肉などが酸素欠乏となると乳酸発酵を行う。

嫌気的解糖

嫌気的解糖とは無酸素状態時の解糖系の経路のこと。グルコースからピルビン酸まで分解し、その後電子伝達系などが停止している場合には、ピルビン酸から更にアルコールや乳酸などに分解を行う。その主たる目的は嫌気状態でもATPの生産を行うこと、また再び解糖系を稼動させるためにNADHの酸化を行うことにある。
なお、収支式は以下の通りである
アルコール発酵 C6H12O6+2ADP+2Pi(リン酸) → 2C2H5OH+2CO2+2ATP
乳酸発酵 C6H12O6+2ADP+2Pi → 2C3H6O3+2ATP
なお、酢酸発酵はアルコールの酸化を伴う反応であり、NAD+の還元を伴う。収支式は以下の通り
C2H5OH+2NAD++H2O → 2CH3COOH+2NADH

アルコール発酵は酒類の生産に用いられている極めて我々の生活に深く関わる、有名な反応である。この反応は酵母で行われており、様々な酵母から種々の酒類が生産されている。乳酸発酵は上記にも述べたが、好気呼吸を行う動物群は一般的に行っている。筋肉痛と言う形でその反応を知ることができる。酢酸発酵は酢酸菌の行う反応であり、ほかの微生物群が生産する酢酸の反応系をさすものではない。やはり食酢の製造に関わっており、我々になじみの深い代謝系の一つと言える。

学問としての発酵学の興り

17世紀末のオランダでアントニ・ファン・レーウェンフックが手製の顕微鏡を用いて、微生物を発見した。彼はビールもその観察の対象としており、そこに顆粒を発見したことを記録している。おそらくこれが酵母の発見とされるが、この時点ではそれと発酵の関連は考慮されていない。
発酵と微生物の関連については、古くは1818年に、Erxlebenがパンの発酵が微生物によるとの説をなしたが、ほとんど取り上げられなかった。1830年代には、数人の学者が「酵素の生命力説」を主張し、酵母の活動によって、糖分がアルコールと二酸化炭素になると述べた。これは当時の化学者を大いに刺激し、リービッヒらはこれを否定、化学物質の変化は単純な化学反応であり、そこに生物の関わる余地はないと主張した。彼らによると、酵母はそのような化学変化の結果として生じるものにすぎないという。
これらの論争に決着をつけたのがパスツールである。彼は酵母を様々な条件で培養し、酵母の発育の結果としてアルコールを生じること、ただし酸素が利用できる条件ではアルコールは発生せず、酵母の成長はその方がよいことなどを発見し、アルコール発酵は酸素呼吸の代用として酵母が行うものであること、それらが酵母が生活のためのエネルギーを得るために行う反応であると述べた(1876)。
これで一旦は収まったかに見えたが、1897年にブフナー兄弟は酵母を破砕した物質が、発酵を進める能力があることに気がついた。そこから、酵母の内部にアルコール発酵を進める物質が存在すると考え、この物質にチマーゼの名を与えた。そして、チマーゼこそが発酵の原因であり、酵母はそれを作るものではあるが、その過程そのものに生物は関与しない、との説を立てた。しかし、その後にこのチマーゼによる発酵が通常のアルコール発酵のようにうまく進まないことが判明し、やはり酵母が発酵を行うのだとの説に落ち着いた。現在では、チマーゼは多数の酵素の複合物質であると考えられている

発酵の型

生物がグルコースなどの糖を用いてエネルギーを得る時、グルコースを解糖系で分解を行いエネルギーを得ると同時に、最終生成物としてピルビン酸が得られる。またこの過程で、酸化型NADが還元型NADへと変化する。ここまでは、発酵、呼吸代謝に共通する部分である。ここから、呼吸代謝はこのピルビン酸をクエン酸回路、電子伝達系によって酸化分解し、最終電子受容体を酸素もしくは無機物で行う。そして、ATPを得ると同時に還元型NADを酸化型NADへ戻す。対して、発酵はピルビン酸を嫌気条件下でその発酵の型特有の経路を用いてエネルギー得て、還元型NADを酸化型NADに戻す。ただし、発酵は最終電子受容体として有機物を使用する。
アルコール発酵
二段階の化学反応を経てエチルアルコールへ変化させる。第一段階として、ピルピン酸から一分子の二酸化炭素が取り去られ、中間生成物のアセトアルデヒドが生じる。その後、アセトアルデヒドは還元型NADによって還元され、エチルアルコールとなる。
主として出芽酵母によっておこなわれる。糖分を分解してアルコールと二酸化炭素を発生する。アルコール飲料がその代表である。酵母は自然界では糖分の多い環境に生息し、果実の皮などにも附着している。そのため、果実をつぶして容器に置けば、自然にアルコール発酵が進む場合が多い。日本酒を造る場合、まず麹を米に働かせるのは、米のデンプンをコウジカビに分解させて糖にするためである。パン生地が膨れるのは、生地の中の糖分が分解されてできた炭酸ガスのためである。
乳酸発酵
化学的には、ピルビン酸を還元型NADによって還元し乳酸にする。最も単純なピルビン酸代謝経路。
メタン発酵
メタン発酵とは、メタン菌の有する代謝系のひとつであり、水素、ギ酸、酢酸などの電子を用いて二酸化炭素をメタンまで還元する系である。メタン菌以外の生物はこの代謝系を持っていない。嫌気環境における有機物分解の最終段階の代謝系であり、特異な酵素および補酵素群を有する。詳しくはメタン発酵を参照。
その他の発酵
ほかにも、酪酸型発酵、ブタノール-アセトン型発酵、硝酸塩発酵、酢酸発酵がある。

 

どうでしたでしょうか。

 

頭痛くなりましたよね。

 

ぜひそういう時はモルトを楽しみましょう! 

 

私も飲みに出ます。。。

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