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スコッチ文化研究所 静岡支部 セミナー『E』 レポート

昨日は、スコッチ文化研究所 静岡支部の定例セミナーを開催させて頂きました。

今回のテーマは、「E」からはじまる蒸溜所(GLENは抜かした形で)という事で

グレンエルギンとエドラダワー蒸溜所の二つの蒸溜所の飲み比べと現行品とオールド・ボトルのテイスティング&フード・ペアリングでした。

そして、今回はなんとすべてブラインド・テイスティングにてご用意致しました。

ここで改めて申し上げておきますが、銘柄を当てる事に焦点をおいていた訳ではなくブラインドをする事によって純粋にグラスに注がれているウイスキーと向き合う事が出来るのではないかと思い、はじめて試みてみました。

むろん舌を鍛える為の訓練でもあります。

参加者の皆様にはテイスティングシートをお配りして、A~Dと記されたウイスキーを色、香り、味わい、余韻を各々の感じた様に記入して頂きました。

そして、最終的にはボトル銘柄を記入して頂いた訳ではございますが・・・

みなさん凄い!

参加者の皆様(夜の部も合わせて)ほぼ全員が、蒸溜所を当てる事が出来ました!!

これには、驚きとみなさまのウイスキーに対する味覚と嗅覚のレベルが上がって来られた事に気づかされました。 

いや、本当に参りました!

そしてフードペアリングにテーマが移ります。

今回ご用意させて頂いたペアリングのお料理は、

「子羊の香草パン粉焼」

「 仙台味噌に漬けた濃厚フォアグラのテリーヌ」

「白玉だんご 麦芽糖とアニスの葛餡をかけて」

の三種類となります。

みなさまのお好みも様々かと思ったのと色々なご意見も聞きたかったので、

あえてはじめはどれと合わせて欲しいという事は告げずに思い思いで合わせて頂く事に致しました。

その結果。

満場一致で一番の組み合わせは、フォアグラとエドラダワーでした。

という事で今回の私が考えたペアリングの構想を少しご説明させて頂こうと思います。

「子羊の香草パン粉焼」にあわせて頂こうと思ったのは、グレンエルギン12年でした。

これは、グレンエルギンにあるハーブややや感じるピート感。程よいウッディ感が子羊特有のクセを無くしミルキーな味わいとジューシーな旨味を感じさせてくれるのではないかと考えてご用意させて頂きました。

すこし残念だったのが今回抜栓をしたグレンエルギンの味わいがやけにソーピー(石鹸香)な味わいがなぜか強く感じてしまった点に有ります。
予想外の出来事でして、その結果グレンエルギン19年との相性の方が良くなってしまいました。
これは参加者の猛者の方々とも話題に上がりましたが、ここでは語るのをやめておきます。

次に、先ほども書きましたが満場一致でベストペアリングとなったのはこの、「 仙台味噌に漬けた濃厚フォアグラのテリーヌ」とエドラダワー10年 オールドボトルです。

実はこのペアリングは僕の中でも絶対の自信を持っていたペアリングなのです。
エドラダワーの持つややソーピーでオイリーな味わいが「 仙台味噌に漬けた濃厚フォアグラのテリーヌ」に素晴らしい余韻を与えてくれるのです。
このペアリングは、お酒を活かすというよりも食べ物を活かす考えの中で出来上がりました。 口の中にテリーヌが残っている状態でエドラダワー10年を口に含むとお互いの香りが膨らみ、相乗効果が生まれてまいります。
フォアグラのバターの様なクリーミーでナッティな味わいと仙台味噌の旨味が加わった事による効果を狙った次第でございます。

そして、最後は「白玉だんご 麦芽糖とアニスの葛餡をかけて」でございますが、これはあまりご説明をし名うてもお分かりでしょうけど、グレンエルギン19年 ミレニアムボトルとのペアリングを狙っておりました。

こちらは、ウイスキーの味わいを活かすという考えのもとで考案した訳でございます。じっさい、白玉じゃなかった方が良かったかもとも思っておりますが葛餡との相性は抜群で、参加者の皆様より「餡だけ欲しい」という声も。

グレンエルギン19年は、アルコール度数が60度もありパワフルでボディの厚みとウッディ感を楽しむ事が出来る味わいでしたので、この60度のアルコール感を和らげてウイスキーの邪魔をせず味わいを「乗っける」感じで作ってみました。

と今回は少し贅沢で採算度外視のペアリングではございましたが皆様にお楽しみ頂けたようでほっとしております。

次回のテーマは「F」です。

何処の蒸溜所になるか? お楽しみに!!

#俺流BAR巡り #バーテンダーの独り言 #愛してやまないモルトたち #酒の友

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