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OMOIDEにふけながら

今夜は、雨が降り続く夜となった。

そんな夜は、無論客足も遠のくもので店内も静寂の中、振り続ける雨のしたたりが窓に残るのを眺めながら、営業が終わった店内で一人、BARの空間を愉しむ。

今日いつものように店の扉を開け、いつものようにまだ薄暗い店内の中に入ろうとすると一枚の葉書が届いていた。

それは、懐かしい香りのする一枚の紙。

そこには、先日行った自分の成果を示す物だった。

一つの事をやり遂げると必ず評価がついてくる物だ。

その紙に書かれていたのは、バーテンダーになりたての時にお世話になっていたマスターからだった。

さすがに、その文章には自分自身も心を打たれてしまう内容だった。

所詮この世は、一人だ。

行くも退くも、決めるのは一人だ。

でもそこに仲間がいたら。

それは何十倍にも力になる事だろう。

男って所詮、寂しがりやだと思う。

それは一人だということを実感しているからなのか。

昔、父親に『男には外に出ると7人の敵がいると思え』といわれたことがある。

7人とは一体誰なのか?

それは今でもわからない。

でもきっとその7人の中には己も含まれているのではないか?

そんな風にも感じる。

そんな戦いに疲れた男が癒す場所として選ぶのはBARとい空間が似合うと思う。

いまこれを書いている私自身も、己自身のカウンターにすわり誰もいない空間の中、自分と向き合っている。

先輩でもあり友人でもある彼の言葉を読み返すにはこのカウンターが必要だと感じたからだ。

それをしようと思ったきっかけが、この手紙だった。

『応援している』

この言葉が、どんなに自分を勇気付けてくれるのであろうか?

有難うございます。

これからも、先輩としてご指導ください。

いまあまり営業中ではかけなくなってしまった綾戸さんのせつないハスキーな歌声が響いています。

飲んでいるのは、CAFEですけどね♪

#バーテンダーの独り言

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