全国行脚していた落語家さんが、3月31日に大阪に帰って来た。はずであったが十三に出没していない様子で、他の店でも消息が話題になっていたのだが、昨夜やっと出現してくれた。
1年間、店に行脚の行程を示す地図(本人がくれたもの)に塗り絵をして、だんだん進んで行く様子を見守っていた。日焼けした顔が、修行の成果のように感じられた。彼のホームページで進んでいく様は見ていたが、さぞハードであろうと思われた。脚の骨を折っても、挫折せず落語をし続けた彼のパワーには感心しきり。
彼自身の勇気や精神力はもちろんだが、行った土地土地で分け与えられたものや、裏で支えてくれた人たちからもらった部分も多々あったことだろう。
当人は、「もう一っぺんやれ言われても、絶対にやらん」と言っていたが、今は本音なのだろうと思った。
そういう経験は、山登りをしていた時代にはよくあった。1ヶ月北アルプスを歩き続けた後や、槍ヶ岳の北鎌尾根を制覇した後など、「もう山には入らん」と思ったものだが、筋肉痛が取れる頃になると、今度は何処へ行こうか企画している自分に気づいたものである。
落語の題は同じでも、相手変われば品も変わるであろう。人を相手に何かをするということは、相手に合わせていく必要があるものだ。営業マンでも、受付でも、バーテンダーでも、そこのところは同じなのだ。
1年間修行の旅にでも出てみたら、帰ってきてすることが無くなっていそうで、私には出来ない芸当である。(笑)
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